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大阪朝高が目指すラグビー 常に考え、挑戦する

大阪府第1地区決勝(11月21日)で圧倒的な強さを発揮した

 12月27日に開幕する「第90回全国高等学校ラグビーフットボール大会」に、大阪朝鮮高級学校ラグビー部が出場する。「全国大会」を戦うのは2年連続5回目だ。大阪朝高は春の選抜大会準優勝をはじめとした年間の実績が評価され、初めてAシード校として大会に臨む。

 前回大会のベスト4の金字塔は記憶に新しいが、目標は「前回を超えること、そして『全国』制覇すること」(金寛泰主将)だ。

 呉英吉監督は「決勝まで5試合を戦うためにも、まずは初戦をどう勝つか。1試合ずつ消化する気持ちで大会に臨みたい」と話す。

 今年の大阪朝高の強さは、フォワードからでもバックスからでもトライを決められることだが、呉監督はそこにもう一言付け加える。「どこからでもではなく、すべての選手がトライを決められる力を持っている」と。事実、大阪府第1地区決勝で上げた8つのトライを、7人の選手が決めている。

 それを可能にしているのが、相手を凌駕する走力(スタミナ)とコミュニケーション能力(チームワーク)だ。「夏の厳しい練習を乗り越え、気持ちも強くなりチームの団結力も増した。そしてラグビーが本当に好きだからこそ強くなれた」。

筋トレに励む部員たち

 呉監督が選手たちに課していることは、「考えること」だ。「練習中も試合中も、選手たちにヒントは与える。でも答えは自分たちで探すようにしている。『シンキング・ラグビー』だ。対戦相手の状態だけでなく、自然状況などの不確定要素も多い。試合中のピッチの中で自分たちの力で問題を解決することが、勝つためには必要。その判断と決断をいかに早く出せるかが鍵になる」。

 そして試合中でも常にチャンレジすることを求めている。そこに個々人が、チームが成長する鍵があるという。「大阪府の予選中も選手たちのプレーを見ながら、こんなプレーもできたのかといううれしい驚きもあった。選手たち自身がそれを楽しんでもいる」。

 大阪朝高は今や追われる存在だ。それでも呉監督は「プレッシャーはない」と言い切る。前回大会優勝の東福岡(福岡県第1)、同準優勝の桐蔭学園(神奈川県第2、ともにAシード)に、大阪朝高を加えた3校が優勝に近いという予想があるが、「ライバルは自分たち自身」だと気を引き締める。

 前回大会では準決勝までの4試合を戦った。現チームにはそのメンバーが数多く残る。選手たちにとっても「去年の3年生が残してくれたこの経験は本当に大きい」という。

 「日本各地の朝高ラグビー部で、大阪朝高だけが『全国』の舞台でたたかえる。その感謝の気持ちを胸にピッチに立つ」。呉監督はそう決意する。

 大阪朝高の初戦は30日、東大阪市多目的広場で午前9時にキックオフ。福岡高校(福岡県第2)と本郷高校(東京都第1)の勝者と対戦する。(鄭茂憲)

ラグビー部父母会 記念グッズも販売

 「全国大会」出場を記念して大阪朝高ラグビー部父母会では、大阪朝高ラグビー部オリジナルグッズ(ネックウォーマー、手袋)を販売する。

 グッズは、大会期間中に大阪朝高応援ブース(同校試合日に教職員が設置)で販売される。また、大阪朝高ラグビー部のオフィシャルウェブサイト(http://oskhrfc.d2.r-cms.jp/)でも購入できる。

 購入、問い合わせに関しては、同サイトの問い合わせページから氏名、住所、電話番号を記入の上、メールで。

[朝鮮新報 2010.12.15]