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在日本朝鮮人囲碁協会結成20周年 囲碁で同胞社会の発展を

新たな飛躍に向けて

 在日本朝鮮人囲碁協会結成20周年(1990年7月結成)を祝う記念行事が11月20日、都内のホテルで行われ、東西対抗戦と第7回総会、記念宴会が盛大に行われた。多くの同胞愛好家を網羅してきた協会では、祖国の囲碁発展に寄与してきたばかりでなく、民団との交流や朝・日親善試合などを通じ、活動の幅を広げてきた。

朝鮮の選手育成に寄与

東西対抗戦では東日本地方チームが12勝8敗で勝利した

 この日の行事には、東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、愛知、岐阜、大阪、京都、福岡をはじめとする地方協会の役員ら、総連中央民族圏委員会の金尚一副委員長、在日本朝鮮人体育連合会(体連)、商工連、女性同盟をはじめとする総連の各団体、事業体の関係者、そして「東日本大学OB、OG会」をはじめとする日本の囲碁関係者らも参加した。

 総会では今後3年間の活動方向について討議し、新役員を選出。崔種楽・中央協会会長が再選された。

 囲碁協会結成20周年を記念し、朝鮮から送られてきた祝電を金尚一副委員長が読み上げた。祝電は、協会結成から20年間、多くの同胞専門家と愛好家を網羅してきたこと、朝鮮の囲碁選手育成と技術発展のため物心両面におけるバックアップを果たしてきたことについて言及しながら謝意を伝えた。

 朝鮮囲碁協会は1989年8月に結成され、91年5月に国際囲碁連盟に加入。92年の第14回世界アマチュア選手権、第4回世界女流アマチュア選手権などの国際大会に選手を派遣しており、最近では国際大会の順位圏に入賞している。00、04年に東京で開催された国際アマチュアペア囲碁選手権優勝、09年に中国の北京で行われた第1回世界知能大会優勝(チョ・デウォン選手)などが記憶に新しい。

 このような朝鮮選手らの活躍を在日本朝鮮人囲碁協会は物心両面から支えてきた。協会の初代会長で囲碁を通じた朝・日友好と地域振興などに尽力した故具快萬氏は、1990年代に朝鮮選手10人が中国棋院に留学した事業に寄与し、中国のプロ棋士が平壌で囲碁講習を開くためのサポートを行った。また、日本で国際大会があると会場に駆けつけて朝鮮の選手たちを激励した。

 朝・日関係が悪化する今日においても協会役員らは朝鮮を往来し、囲碁発展に努めている。

 この日、参加者らは協会の機能と役割をより高めることで、さらに多くの同胞愛好家を網羅し、在日朝鮮人運動の強化、発展のため尽力していきたいと決意を述べた。

 一方、行事当日、関西棋院で活躍している在日同胞プロ棋士の金秉民七段による指導碁があった。金さんは奈良朝鮮初中級学校(当時)卒業後、20年前の囲碁協会結成会に参加し、同年にプロとなった。「大阪ワンコリア囲碁大会」など関西地方の同胞大会に出席している金さんは、「協会と自身の20年を振り返る良い機会だった」と述べた。

多くの会員網羅に向け

 総会で行った囲碁協会の李文炯理事長の報告によると、協会では07年11月の第6回総会以降、中央常任役員会を3カ月に1回行い、地方協会との連携も強化しながら、団体戦、個人戦などの大会を5回開催し、08年に行われた朝鮮建国60周年を記念する在日同胞大祝典では、名人戦を開催するなど活発な活動を展開してきた。

 また、韓国棋院との交流も推進し、朝・日親善大会も継続的に催した。

 東京、愛知、大阪、福岡などの地方協会でも、数多くの会員を網羅し、棋力の向上と民族団結、朝・日親善に努めてきた。

 李理事長は、7期事業の方向として、▼若い愛好家をはじめとする会員の拡大▼朝鮮の囲碁発展への寄与▼日本をはじめとする国際親善の強化▼常任理事会の強化などをあげた。

 総会では埼玉協会の李勝信会長、愛知協会の金宗鎮理事長、大阪協会の宋亀理事長らが、3年間の活動について振り返った。

 埼玉協会は、たくさんの同胞と囲碁を通じてつながることに重点を置いた結果、総連組織と関わりのなかった20余人の愛好家と新たに連携を持ち、定期的に囲碁大会を開催していると報告した。

 愛知協会は、毎週木曜の「囲碁の日」運営を地道に行う過程で、女性愛好家らも参加するようになり、名古屋、東春、豊橋の朝鮮初級学校と岐阜朝鮮初中級学校で昨年秋から今年春にかけて子どもたちを対象にした囲碁教室を運営し、延べ800人に普及したと指摘した。

 また、大阪協会は、若い役員とともに「ワンコリア囲碁大会」など民団との交流、生野区役所職員らとの親善対抗戦などの朝・日親善事業を行ってきたと報告した。

 体連の鄭智海副会長は、囲碁は「トンポアイネット拡大21」の有力な手段であるとしながら、会長を中心に力を合わせ、7期事業でより大きな成果が成し遂げられるよう願うと語った。

 崔種楽会長は、在日1世が結成した組織を固守、発展させる義務がわれわれにはあると力強く述べ、役員らが今後も力を合わせていこうと呼びかけた。

 この日行われた宴会では、協会結成の歩みについて参加者らが語り合ったほか、協会発展のために奔走した関係者に感謝状が贈られた。

 一方、協会では結成20周年を記念する冊子を同日に発行。協会の歩み、役員らの抱負、北南朝鮮囲碁界の現況などをまとめた。これによると、朝鮮囲碁協会は今後、プロの育成も行っていく方針だという。(姜イルク)

[朝鮮新報 2010.12.1]