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世界王者「李冽理選手祝勝会」 大阪朝高OB会が主催

「大阪朝高時代あっての今」

 朝鮮大学校出身のプロボクサー・李冽理選手(28、横浜光ジム)のWBA世界スーパーバンタム級王座奪取を祝勝する会が、13日、大阪朝高ボクシング部OB会主催のもと地元大阪の飲食店で行われた。総連大阪府本部の夫永旭委員長、在日本朝鮮人ボクシング協会の李学宰会長、大阪朝高の金允善校長、OB会メンバーと現部員をはじめとする関係者、同胞、日本の友人ら175人が集まった。



地元大阪での祝勝会には175人の人々が集まった。

 世界戦入場時に使用した曲「海岸砲兵の歌」が流れるなか、同級生の騎馬に乗った李選手が登場すると、会場からは惜しみない歓声と拍手が沸きあがった。

 祝勝会では、李選手とゆかりのある恩師、旧友や関係者による祝辞と、地元ならではの特別企画が行われた。

 この日、大阪朝高ボクシング部時代の監督を務めた梁学哲さん(現・大阪朝鮮第4初級学校校長)に、李選手から感謝の気持ちを込めた花束が贈られた。

 梁さんは「全国」選抜大会出場を控えた李選手とともに関東遠征に行った当時の様子を振り返り、「ラウンド中、一度も休むことなく攻め続ける冽理は、日本の関係者から『ノンストップ・リョルリ』という異名で呼ばれるほどのファイタータイプだった」と話し、「そんな冽理が、アウトボクシングで見事に世界制覇を成し遂げたことは、大阪朝高ボクシング部、ひいては全同胞の誇り」と喜びをあらわにした。

 また、2000年に行われたインターハイ府予選で、李選手とともに朝高ボクシング史上初となる大会9階級制覇を果たした同級生も舞台にあがった。

実行委員をつとめた大阪朝高ボクシング部OB会メンバーら

 現在、大阪朝高ボクシング部の監督を務める宋世博さんは、李選手と朝高・朝大時代を過ごした。「朝大卒業時、冽理はプロになって『洪昌守2世』を目指すと誓い、自分は母校の教員として『李冽理2世』を育てると誓った。あのとき交わした約束が、これほど早く達成されると思わなかったが、こうした快挙も、民族教育が根底にあってこそ実現したと思う。生徒たちが、その代を引き継いでいけるよう、今後も選手育成に励みたい」と話した。

 自身も現役プロボクサーとして、奮闘する李明浩選手(大阪帝拳)は、「自分も今後、洪昌守選手や冽理のような世界チャンピオンを目指して、いっそうがんばっていきたい」と意気込みを語った。

  一方、祝勝会でもっとも注目を集めたのは、李選手がアマチュア時代から「アニキ」と慕う元WBC世界スーパーフライ級チャンピオン洪昌守さんとのミット打ちだ。李選手が洪さんに手ほどきを受けるのは、今回が2度目。大阪朝高時代に一度だけスパーリング練習を行って以来だ。新旧王者による圧巻のパフォーマンスに、会場は多いに沸いた。

「アニキ」と慕う元WBC世界スーパーフライ級チャンピオンの洪昌守選手と大阪朝高時代の恩師と記念撮影する李選手

 洪さんは「同胞の期待に答え、完璧な試合展開で王者奪取に成功した冽理を誇りに思う。これからも着実に防衛回数を増やしていってもらいたい」と語った。

 また、この日、大阪朝高ボクシング部OB会から祝賀金とともに金字で「大阪朝高ボクシング部OB会」と書かれたTシャツが送られた。

 実行委員長を務めたOB会の趙悠徹会長は、「冽理を朝高時代からずっと見てきたが、当時からメンタルが強く、日々の練習を怠らない選手だった。今回の大快挙は、そうした地道な努力の結実。OB会では今後も、冽理をはじめとする朝高出身プロ選手、現役朝高選手たちを変わらず応援していく」と語った。

 李選手は、参加者、実行委員たちに深い謝意を述べ、「梁学哲先生や、先輩、同級生たちに支えられた大阪朝高時なくして、今の自分は存在しない」と話し、「それを常に心に刻みながらボクサーを志す後輩や学生たち、現役プロ選手らの目標になれるようがんばりたい」と話した。 (周未來)

[朝鮮新報 2010.11.24]