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千葉「国体」 東京朝高 朴志亨選手が3位 ボクシングに3人が出場

同胞選手 健闘、躍進

 千葉県各地で行われた第65回「国民」体育大会「ゆめ半島千葉国体」(9月25日〜10月5日)のラグビー、ボクシング、サッカー競技に朝高生と同胞選手たちが参加した。市原緑地運動公園臨海競技場で行われたラグビー競技「少年の部」には、大阪朝鮮高級学校ラグビー部の11選手が府代表として出場し準優勝した。

 一方、鴨川市総合運動施設文化体育館で行われたボクシング競技には、3選手がともに東京都代表として参加した。「少年の部」に出場した、東京朝鮮中高級学校の朴志亨(ミドル級、高3)選手が3位、兪m(バンタム級、高3)選手が5位に入賞し、「成人の部」に出場した東京農業大学3年の尹成得選手(ミドル級、大阪朝高出身)は、 5位の成績を収めた。サッカー競技には、FCコリアの黄永宗(30、DF)が都代表メンバーとして参加した。

「少年の部」

4年ぶり2度目の「国体」出場を果たし、見事3位に入賞した朴志亨選手

 「国体」は、高3の兪m、朴志亨選手にとって部活生活をしめくくる最後の「全国」大会だ。在日本朝鮮人中央体育大会(9月)以降、両選手ともに、基礎に立ち返った練習に励み今大会を迎えた。

 3回戦、高橋潤選手(福島県)と対戦した朴選手は、固いガードからカウンターを決め中盤からは試合をリード。5−1の判定で、準決勝へと駒を進めた。

 準決勝の相手は、今年度のインターハイで準優勝した宮本考朗選手(愛知県)。しかし、朴選手は前評判に動じることなく、終始果敢に攻め続けた。

 試合は、序盤から互角の攻防戦、両者一歩も譲らずポイントを奪い合う展開に。朴選手は、フットワークで間合いを計りながら、得意のカウンターを的確にヒットをさせた。しかし、2回終盤からは、疲れからかやや重心が高くなり3回終了間際には、前進して迫る宮本選手の連打を浴びスタンディングダウンを奪われた。攻撃の正確さと手数で朴選手が上回ったと思われたが、結果は5−5の判定で優勢負け。3位となった。

 東京中高ボクシング部の「国体」参加は、4年ぶり2度目。大会3位の成績は、同部史上最高だ。

いかんなく実力を発揮した兪m選手(バンタム級)

 朴選手は試合後、「2分3ラウンドという一瞬を輝かせるために、つらい練習に耐えてきた。そうした経験から、何事も地道に取り組むことの大切さを学んだ。ボクシングは、人生の大きな糧になったと思う」と清々しい表情を浮かべた。

 一方、兪選手はインターハイ出場時(フライ級)から一階級あげバンタム級で試合に臨んだ。この間、減量はなく打撃力やスピードなど全般的に力をつけた。

 兪選手は2回戦、小川達彦選手(長崎県)を4−2の判定で下すと、3回戦では鈴木涼太選手(新潟県)と対戦。絶妙なタイミングでのカウンターを決め、互角に攻撃を繰り広げるが、中盤から相手の圧力にペースを奪われ1−5の判定で敗れた。

 試合後は、「自分のボクシングができなかった」と悔しさをにじませた。これまで、部の主将を務めてきた兪選手。高校最後の戦いを終えて、「3年間、ボクシングをやってきて本当によかった。つらいときもあったが、仲間や先生に支えられ今があると思う」と胸をはった。

 東京朝高ボクシング部の金尚洙監督(東京都代表チーム・少年の部監督)は「志亨はインターハイ準優勝選手を相手に、本当によく戦った。また、mは主将としてこれまで朝高の看板を背負いながら各大会でがんばってくれた。2人には、3年間おつかれさまと言いたい」と微笑んだ。

「成年の部」

さらなる成長への可能性を見せた尹成得選手(「成年の部」 ミドル級)

 「成年の部」に出場した尹成得選手は、昨年に続き2度目の出場(大阪朝高時代にも2度出場)。尹選手は朝高2年時にインターハイを、3年時には「大分国体」を制した実力の持ち主だ。

 斉藤健司選手(福島県)を相手に、初戦を3回26秒でRSC勝ちした尹選手は、続く3回戦で濱崎良太選手(岡山県)と対戦した。尹選手と濱崎選手が対戦するのは、今回で4度目。高校時代に濱崎選手を破った尹選手だが、大学では2度敗れているだけに、この決戦に期待がかかる。しかし、「因縁の対決」を制したのは斉藤選手だった。

 重い打撃が行き交った試合、尹選手は鋭い勘と柔軟な上半身で、斉藤選手の攻撃をうまくかわしたが、防御からの一手が思うように伸びず逆に攻撃を受けた。結果、1−1の優勢判定で勝ちを譲った。

 尹選手は「自分の実力がわかった。今後は、スタミナ強化を課題に練習に励んでいきたい」と、語った。

 東京都代表の小坂則夫監督(都アマチュアボクシング連盟副理事長)は、尹選手について「十分伸びる可能性がある選手。スタミナを培いフットワークへの意識を高めることが成長につながるだろう」と、期待をのぞかせた。

 一方、この間会場では、連日応援に訪れたボクシング部OBたちの姿が目立った。東京朝高をはじめ、大阪、神戸朝高の卒業生で現在関東圏内に住む同胞らが、会場に足を運び選手たちに熱いエールを送った。

 学生時代にボクシング部主将を努めた高晟さん(32、東京中高)は、後輩たちの姿をみながら、「率直にうらやましい」と話す。

 朝鮮学校生徒の「国体」参加が認められたのは2006年と歴史が浅い。高さんは、「この十数年間で、朝鮮学校ボクシング部生徒らの活躍の場は確実に増えた」と喜びを語り、「試合を見て、朝高生たちの間に今もなお在日の『ハングリー精神』が息づいていると感じた。これからも、いっそう応援していきたい」と目を輝かせた。(來)

「国体」ラグビー 大阪が準優勝、1点届かず

[朝鮮新報 2010.10.13]