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ボクシング協会理事長に聞く 試合展望 李冽理 10月2日 世界戦

 朝鮮大学校出身で、ボクシングWBA世界スーパーバンタム級14位の李冽理選手(28、横浜光ジム)の世界戦が、2日に迫っている(東京・後楽園ホール)。決戦を前に最終調整に入った李選手は、「リングには祖国の誇りを持ってあがる。勝って同胞の期待に応えたい」と、心境を語った。同胞社会の期待を一身に背負う李選手は、世界のリングでどのような戦いを見せるのか。在日本朝鮮人ボクシング協会理事長で、朝大ボクシング部の朱一助監督(写真)に、試合の展望を聞いた。

 李選手が挑むのは同級チャンピオンのプーンサワット・クラティンデーンジム選手(29、タイ)。攻撃スピード、スタミナ、打たれ強さなど、すべてにおいてまさに「一流」のボクサーと評されている。とくに、打撃力には定評があり一階級上げた同級においてもその強さは健在だ。

同胞社会の期待を一身に背負い10月2日、世界のリングに上がる李選手

 今回の試合でも、「戦車」のようにじりじりと相手を追い込みながら、近距離からスピーディーな連打を放ってくることが予想される。朱理事長は、「相手は序盤でのKOも狙っているはず。手数の多い選手なので強打を当てられれば、かなり体力を消耗させられる」と語る。

 だが、勝算は十分にある。

 朱理事長は、「チャンピオンの攻撃を回避できるスタミナと技術力が、李選手には十分に備わっている」と強調する。

 李選手の持ち味は、何といっても卓越したフットワークだ。前後左右へ縦横無尽に動き回りながら、絶妙な距離から強打を放り込むスタイルは、チャンピオンにとっても容易に攻略できるものではないだろう。

 朱理事長はまた、メンタル面の強さでも李選手は優れていると話す。

 「冽理は強靭な精神力に支えられている。これまでの試合で、どのような状況にあっても、『必ず勝つ』という強固な姿勢が崩されることはなかった。技術的には、12Rをフルに使い、着実にポイントを狙いながらいつもどおりのボクシングを展開すれば、勝てるだろう」

 一方、朝大出身のボクサーが初めて世界に挑むニュースは、同胞社会を沸かせている。

 朱理事長は、「教え子が、世界戦に挑戦するというニュースを受け本当にうれしかった。冽理の活躍で、在日ボクシング界はいっそう盛りあがるだろう」と展望を語った。(周未來)

[朝鮮新報 2010.9.29]