〈在日サッカー協会のページ〉 東アU−15ユーストーナメント 在日選抜が優勝 |
朝鮮の委任代表として出場
東アジア(EAFF)U−15ユーストーナメント2010が8月1〜5日、グアムで行われた。朝鮮の委任代表として在日朝鮮学生選抜チームが出場、初優勝を果たした。 大会を主催した東アジアサッカー連盟は、04年から2年に1回ずつ同ユース大会を催しており、大会は技術向上と交流を深める絶好の機会となっている。 在日選抜は過去にも、04、08年大会(いずれもグアム開催)に朝鮮の委任代表として出場(中国で開催された06年大会には朝鮮本国チームが出場)。U−15大会として初めて行われた今大会が3回目の出場だった(08年までU−14大会)。 在日選抜は各地の朝鮮高級学校1年と中級学校3年のサッカー部員らで構成された。選手らは朝鮮代表として、そして朝鮮学校生徒の代表として必ず優勝しようと結団式(7月29日、東京中高)で決意を表明、同30日に日本を発ち、グアムでの大会に挑んだ。 大会には朝鮮のほか、グアム、香港、マカオ、モンゴル、北マリアナ諸島、台湾が参加。グループBに属した朝鮮は予選リーグで、北マリアナ諸島(8月2日)を23−0、台湾(同3日)を1−0で下し、決勝トーナメント進出を果たした。準決勝(同4日)ではモンゴルを13−0で圧倒すると、香港との決勝(同5日)ではメンタルの強さを発揮、3−2で勝利し、初の優勝カップを手にした。 大会出場の意義は、技術向上や交流にもあったが、選手たちにとっては朝鮮の国旗を胸に掲げ、試合に出たことが一番大きかったという。それは今後の進路や目標を考えるうえで大きな刺激になった。朝鮮代表のW杯出場、そのピッチでたたかった安英学選手、鄭大世選手を目標に、今後も練習に励んでいくうえでも、すばらしい機会になった。また、全勝優勝は、各学校の教員をはじめ、各地蹴球協会の日々の努力の結果であり、チーム内での選手間のコミュニケーション、主将を中心とした団結力、監督やコーチへの信頼によって実現したものだ。ユーストーナメントでの経験は今後の中級部の部活動や高級部につながっていくだろう。 在日本朝鮮人蹴球協会ではこれからも、このような機会を積極的に設け、8年後、12年後、このチームの中から朝鮮代表としてW杯のピッチに立てる選手を育成していくことを目標にしている。【在日本朝鮮人蹴球協会】 主将 洪潤極 「いつかまた代表として」 在日朝鮮学生選抜の洪潤極主将(東京朝高1年)の大会に参加した感想を紹介する。
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各地の朝鮮学校から集まった18人は、東アジアU−15ユーストーナメントに参加するため、朝鮮代表としてグアムに行ってきた。 僕たちの目標は「優勝」。主将として、みんなが同じ目標を持って朝鮮代表選手という自覚と責任感のもと団結しようと誓った。 選手同士、初めて顔を合わせた時はよそよそしく緊張したが、同じ目標を持って一緒に生活をするうちにそれはすぐに消えて仲も良くなり、練習中にはお互い声を出し合えるようになった。また、監督、コーチの下、チームは安心してサッカーに集中することができた。 試合前には朝鮮の国旗を前に愛国歌が流れた。試合前にいろいろと考えることができたしモチベーションはさらにあがり、とても良い緊張感の中で試合に挑むことができた。 結果、4試合全勝し優勝という目標を達成できた。勝因は「団結」にあったと思う。 この期間、サッカーに対しての思いを改めるきっかけとなった。愛国歌を歌った記憶、国際舞台に立てた喜びと栄光を忘れることなく、今まで以上の努力を重ね、いつかまた朝鮮代表としてグラウンドに立てるよう頑張りたい。 [朝鮮新報 2010.9.1] |