〈2010W杯〉 対ブラジル戦、海外メディアも賛辞 |
「世界驚かせた朝鮮サッカー」 「朝鮮サッカーが世界を驚かせた」 15日(現地時間)に行われたワールドカップ南アフリカ大会G組、朝鮮対ブラジル戦。南朝鮮や海外のメディアは、ワールドカップで5度の優勝を誇るサッカー王国ブラジルを苦しめた朝鮮代表チームのたたかいぶりを大きく報じた。FIFAランキング1位と105位の対戦。1−2で惜しくも敗れはしたが、44年ぶりのワールドカップ出場でブラジルの一方的勝利という試合前の下馬評を覆す健闘に、辛口の海外メディアも賛辞を惜しまなかった。また、インターネット上では第2戦目以降の朝鮮代表の活躍を期待する声が上がっている。 奇跡の再現目前 ロイター通信は、「1966年のイングランド大会でイタリアを1−0で破った奇跡の再現まであと一歩だった。朝鮮は『死のグループ』で決してくみしやすい相手ではなかった。他チームは朝鮮に対する認識を改めるべきだ」と報じた。 中国国営の新華社通信は2002年大会で中国が0−4、前回大会で日本が1−4でそれぞれブラジルに敗れた事実を挙げて、今回の朝鮮代表の善戦を「ワールドカップでアジアの国がブラジルを相手に成しとげた最高の成績」だと称えた。 海外メディアはとくに、5度のワールドカップ優勝を誇るサッカー王国ブラジルの攻撃を試合開始から55分間にわたって防いだ鉄壁の守備を高く評価した。 欧州のスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」は「守備の『マスタークラス』がどのようなものか見せてくれた」と朝鮮チームの守備力に最大級の賛辞を贈った。 英サン紙は「番狂わせを起こす」と述べたキム・ジョンフン監督の言葉が「もう少しで実現しそうだった」と伝え、ブラジルの攻撃を食い止めた堅守を善戦の要因に挙げた。 AFP通信も、「攻撃の活路を見出せず戸惑うブラジルの攻撃陣はゴールまでの視野を確保できずに相手のゴールキーパーを探すのにも苦労した」と報じた。さらには、朝鮮が守備力をベースに期待以上の試合運びを見せたことで、「死のグループ」と呼ばれるG組の行方はいっそう混沌とするだろうという見方を示した。 鄭大世選手に注目 南朝鮮メディアも朝鮮代表チームの善戦に賛辞を惜しまなかった。 「最強ブラジルをあわてさせた『千里馬軍団』 インターネットニュースサイト「ニューシス」(Newsis)は対ブラジル戦を「誰も予想だにしなかった北の善戦」と報じた。また、「守備一辺倒の試合だったが、ブラジルを相手に堂々たる自信にあふれていた」とし、「ブラジル戦で見せたたたかいぶりを維持すれば、ポルトガル、コートジボワールは決して難しい相手ではない」と、今後の試合に期待を寄せた。 スポーツ専門サイト「スポタル・コリア」(Sportalkorea)も、「ブラジルの一方的勝利という大方の予想は見事に裏切られた。試合内容において北はブラジルに負けていなかった」と指摘した。また、朝鮮チームは「攻撃における短所を最小化し、守備における長所を最大化することで、自らに向けられていた『?』を『!』に変えつつある」と伝えた。 一方、インターネット上でも一般市民を中心に「期待以上のたたかいぶり」などと朝鮮チームの善戦を称える書き込みが相次いだ。 FIFAの公式ホームページには朝鮮代表チームを応援するメッセージが世界中から寄せられた。 朝鮮代表の中で最もメディアの注目を集めたのはFWの鄭大世選手だった。 サッカー専門の海外ニュースサイト、goal.comは鄭選手について「ノーゴールに終わったが、その爆発的な攻撃力はブラジル守備陣を緊張させた」と評価。「『アジアのルーニー』が人びとを失望させることはなかった。前半はカウンター戦術の中心となってブラジルを脅かし、後半はヘディングで味方ゴールをアシストした」と、出場選手に対する採点で朝鮮チームの中ではトップの7・5点(ほか2人)をつけた。 AFP通信も「朝鮮の攻撃は主に鄭大世1人に頼っていたが、彼だけでもブラジル守備陣を混乱に陥れるのに十分だった」と報じた。 また、試合終了直前に飛び出したチ・ユンナム選手のゴールを、「グループリーグ突破に希望をつなぐ一矢」だったと表現した。 [朝鮮新報 2010.6.16] |