top_rogo.gif (16396 bytes)

大阪朝高ラグビー部 府大会初優勝 ふくらむ「全国制覇」への期待

連戦の疲れ見せず全力プレー 「全国制覇」へ大きな一歩

タックルをかわして攻め込む大阪朝高

 大阪朝高ラグビー部が第65回大阪府高等学校総合体育大会(4月11日〜5月16日)で優勝した。同校の府大会優勝は初。冬の花園(全国大会)の出場権を争う秋の府予選のAシード権も獲得した。

 全国大会でも毎年上位に名を連ねる強豪、名門校がひしめき合う大阪府で1位になった意義は大きい。「全国2位のチームが大阪では2番手、3番手というわけにはいかない」というプレッシャーもあった。全国大会や近畿大会の府予選は、3、4チームに与えられる出場権がブロックに分かれて争われるため、府の1位が決まる公式大会は今大会だけだった。

 大阪朝高の選手たちは、「『全国制覇』の前に、まずは大阪ナンバーワン」を目指して練習に励んできた。新チームとなり近畿大会(3月)、全国選抜大会(4月)、ワールドユース交流大会(5月)と毎週のように公式戦をたたかい抜き、最高の結果で春のシーズンを締めくくった。目標にしてきた「意思の統一」でも大きな成果を得た。今後は冬の花園(全国大会)を目指し夏の強化合宿などにも取り組む。

弱点克服のきっかけも

「大阪ナンバーワン」を実現させた大阪朝高ラグビー部(写真は大阪朝高提供)

 大阪朝高ラグビー部が第65回大阪府高等学校総合体育大会で初優勝した。

 グループリーグを1位で通過した大阪朝高は、福岡で開催されたワールドユース交流大会から戻って4日後に準決勝(9日、同志社香里高校グラウンド)に臨んだ。

 準決勝で「全国大会常連校」の常翔学園(大阪工業大学高等学校から校名変更)と対戦した大阪朝高は、試合開始から得点を重ねて9トライ6ゴールを挙げ、57−10で勝利。冬の花園(全国大会)の出場権を争う府予選のAシード権を獲得した。

 16日、花園中央公園多目的球技広場(東大阪グラウンド)で行われた決勝戦では、近畿大会優勝の東海大仰星に準決勝で競り勝ち勢いに乗る大阪桐蔭と対戦した。

 前半、風下の大阪朝高はペナルティゴールで先制され、思うように攻め込めずリードを許したが、30分に相手のミスを逃さず逆転のトライを奪った。後半には開始7分間で3トライを挙げるなどリードを広げ、相手の反撃を振り切り、38−24で勝利した。

 課題とされてきた「終盤の詰めの甘さ」にも克服の兆しが見えた。

 準決勝で圧勝した直後、金寛泰主将が選手全員を集めて叱りつける一幕があった。最後の数分間で2トライを奪われるなど、緩慢なプレーが目に付いたからだった。

準決勝で強豪・常翔学園に勝利した大阪朝高

 「(選抜大会の決勝など)試合終盤に失点する詰めの甘さが目立っている。最後まで走るのが朝高のラグビーだ。体を張っていない選手がいたから注意した」

 呉英吉監督もタックルに行った選手に誰もフォローに付かなかった終盤の場面を挙げ、「チームメートを助けるラグビーの基本精神に欠けたプレー」と厳しく指摘した。

 決勝戦でも後半31−10と点差が開いたところで2トライを返され、悪いムードが漂いかけた。しかし、負傷している金主将が交代出場したことで気が引き締まり、試合終了直前にトライを奪い返すことができた。

 負傷した主将に代わり準決勝、決勝でプロップ(3番)のポジションに付いた黄尚玄選手(高3)は、大きな声と笑顔でチームを盛り立てるなど勝利に貢献した。途中出場の2年生の選手たちも闘志を見せた。

 呉英吉監督は、「準決勝の後、主将が厳しく指摘したことがチームに浸透したようだ。連戦の疲れが溜まるなかでも、選手たちは持てる力を存分に発揮した」と語った。

 観戦した東京闘球団「高麗」の姜宗卓代表は「しっかり足元にタックルして守りからチャンスを生むきれいなラグビーを見せてくれた。チーム全員、自分がやるべきことを理解している。在日同胞ラグビーの代表的なプレースタイルであり手本でもある。力をもらい多くを学んだ」としきりに感心していた。他のラグビー関係者たちも「まだまだ伸び代があるようだ」と語った。応援に駆けつけた同胞や学父母たちも、「全国制覇」への期待を公言していた。(泰)

[朝鮮新報 2010.5.19]