安英学選手がJ1大宮に 水原三星に5−0で勝利 |
活躍願う観客の声
「さいたまシティカップ」が13日、NACK5スタジアム大宮(さいたま市)で開催され、J1・大宮アルディージャとKリーグ・水原三星が対戦した。今シーズン、水原三星から大宮に移籍した在日同胞プロの安英学選手も出場。安選手のJリーグ復帰は5年ぶりとなる。 試合は5−0の大差で大宮が勝利した。 後半から出場した安選手は中盤の低い位置でプレーしながらも、3点目、4点目の基点になる動きを見せ、チームの勝利に大きく貢献した。 圧巻だったのは、出場から3分後、48分の3点目のシーンだ。安選手はハーフライン付近で相手ボールを奪うと、前線に走り出した味方FWにすばやく縦パスを送り、このパスがチャンスとなってゴールが生まれた。今シーズン、大宮が掲げる「攻守の切り替えの早さ」をさっそくプレーで示した形だ。安選手の本来の持ち味であるフィジカルと球際の強さによる高い守備力に加え、この日は、果敢に前線に飛び出す攻撃的な面も見せた。
試合後の記者会見で大宮の張外龍監督は、「(安選手の)今日のパフォーマンスを見ると去年のわれわれの弱点だった、中盤でのディフェンスの切り替えの速さに強みができるのではないかと思う」と評価した。
安選手は朝鮮代表のトルコ合宿に参加していたため、チームに合流したのは、この試合の3日前。試合中、プレーが切れるごとに選手たちと意見を交わしながら動きを確認しあう姿が目立ったが、試合中、チームメイトからも「ヨンハッ」と声が飛び交うなど、すでにコミュニケーションで問題がないことをうかがわせた。 一方、この試合に先立ち、同スタジアムで、埼玉朝鮮初中級学校初級部サッカー部が大宮アルディージャジュニアと対戦。埼玉初中は、0−7で敗れた。
文炯明くん(12、埼玉初中初級部サッカー部主将)は、「ぼくたちは昨年『コマチュック大会』で準優勝したけど、相手チームはぼくらよりはるかに上手くチーム力もあった。試合は大敗だったがこれをバネに中学に上がってもっと練習を頑張って、いつかリベンジしたい。また、安英学選手は背も高く格好よかった!今年はJリーグにウリヒョンニム(お兄さん)たちがたくさんいるので、アルディージャ対川崎フロンターレ戦、ベガルタ仙台戦、京都サンガ戦も、必ず見に行きたい。W杯では世界のプレーヤーたちの中での活躍を期待している!」と熱く語った。
また、小雪がちらつく寒空の下、夫とともに駆けつけた炯明くんの母・金正淳さん(42)は、「プロのホームグラウンドで県ナンバー1と言われるチームと試合ができて子どもたちにとってはいい刺激になったと思う。そして、子どもたちと一緒に安英学選手を応援したり、水原の選手を応援したりと楽しい一日だった。この試合でわが家のW杯熱はいっそう高まった。お金があれば南アフリカまで行きたいくらいだ。ウリナラ選手、子どもたちの夢である安英学、鄭大世選手の活躍を期待している」と話した。 同校初級部サッカー指導教員の金亨浩さん(26)は、「得点に大きな差が開いたものの、子どもたちは最後まであきらめず戦い続けた。試合後、悔し涙を流しながらも今後の練習に励むと誓う子どもたちの姿に、3年間この子たちと過ごしてきて本当に良かったと思った。悔しさを今後の成長につなげていきたい。また、安英学選手は子どもたちの憧れであり目標でもある。子どもたちとともに、これからも同胞選手を応援していきたい」と述べた。(文=鄭茂憲、金潤順、写真=盧琴順記者) [朝鮮新報 2010.2.23] |