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ボクシング 日本フェザー級王座決定戦 李冽理選手 日本王者に

大差の判定勝ち 朝大出身では初

的確なパンチを打ち込む李選手

 朝鮮大学校ボクシング部出身でWBA世界フェザー級14位のプロボクサー、李冽理選手(27、横浜光ボクシングジム)が6日、後楽園ホールで行われた高山和徳選手(日本フェザー級1位、船橋ドラゴンボクシングジム所属)との日本フェザー級王座決定戦で、3−0(97−95、97−94、98−94)の判定勝ちを収め、日本チャンピオンになった。朝大卒業生としては初の快挙だ。

 試合に臨んだ李選手は序盤、手数で稼ぐが低い態勢から距離を詰めてくる相手に対し、試合をうまく組み立てられなかった。緊張も解けたという中盤からは、相手との距離感をつかむが、カウンターの取り合いで相打ちが目立った。

 7R、顔面に右ストレートをクリーンヒットさせたのに続き、8Rにも右ストレートを相手の顎に決めた。最終10R、リング上の2選手は試合終了のゴングを聞くと、健闘を称え合い抱き合った。

 在日本朝鮮人ボクシング協会の李学宰会長は、「彼はショートブローがうまく、近距離でのテクニックが多彩だった。民族教育が日本チャンプを生んだことに意義を感じている」と述べた。

 朝大ボクシング部OB会の梁学哲会長は、「本当にうれしい。朝大卒業生として日本の頂点に立ったことで、祖国の名誉を輝かせることができた。朝高ボクサーの目標になるだろう」と語った。

会場には350余人の同胞たちが駆けつけた

 朝大の朱一コーチは、「朝大卒業生としての誇りを持って、本名で戦って王者となったことで、民族教育の優位性を示した」と話した。

 試合後、自身の第一目標だった日本王者になったが、今回の結果に満足することなく次のステップに向けてがんばりたいと話した李選手は、「何よりも同胞の応援に感謝したい。目標を持って夢を捨てずに、チャンピオンベルトを巻くことができた。在日でもやればできるという夢と希望を与えることができたと思う。これからも高いところを目指していきたい」とうれしさを語った。

 この日、試合会場では金露顕会長をはじめとする在日本朝鮮人体育連合会、在日本朝鮮人ボクシング協会役員、東京青商会、渋世青商会、朝青東京、朝青神奈川、李選手の同窓生や日本人支援者ら350余人が声援を送った。

 試合を観戦した元プロボクサーのカシアス内藤さんは、「待ちすぎた部分も見られたけど、とても良いボクサー」と話していた。

 2005年9月にデビューした李選手の戦績は、これで17戦15勝(8KO)1敗1分となった。(文=李東浩、姜裕香、写真=盧琴順記者)

[朝鮮新報 2010.2.12]