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文芸同・東京支部舞踊部 第8回公演「切実な気持ち〜オモニの想い」

民族の心、未来へつなげたい

群舞「願い」

群舞「卒業」

群舞「ひとすじの道」

群舞「タドゥミ(砧「きぬた」)の舞」

 在日本朝鮮文学芸術家同盟東京支部舞踊部第8回公演「切実な気持ち〜オモニの想い」が11月25日、きゅりあん(品川区総合区民会館)大ホールで行われた。

 朝鮮半島が日本の植民地だった頃、日本へと連行された多くの朝鮮人は差別を受け虐げられた。

 そうした民族受難の道を歩みながらも、尊厳を守りぬいた1世たちの強い信念が込められた作品が公演1部で披露された。

 2部では、異国の地で生まれ育つ子どもたちに、民族の心を伝えようとする2世のオモニたち、それ受け継ぎ守っていこうとする3世、4世の姿が表現された。

 今回17年ぶりに舞台にあがったという部員の丁英仙さん(36)は、仕事や家事に追われながらも、当日に向け合間を縫って練習を重ねてきた。

 「日本の社会にいると、自分でも気づかないうちに『民族のアイデンティティー』が薄れてしまう傾向にあったが、今回久しぶりに舞踊を踊ることによって、血が騒ぐ思いがした。17年というブランクはあるが、子育てをした経験があるからこそ表現できるものがあるはず」と笑顔で語った。

 過去から現在、そして未来へとつながっていく在日同胞の思いが込められた同公演に魅了された観客たちの拍手は、幕が下りた後も場内に鳴り響いた。

 知人の紹介で観覧した足立在住の康美枝さん(44)は、「公演を通じて、忘れがちなこと、なぜ自分たちが、当たり前のようにウリハッキョに通って朝鮮人として生きていけるのかを思い出させてくれる公演だった」と話した。

 同舞踊部の桂栄順部長は、統一の日を迎えることなくこの世を去っていった1世の思いを、自分たちがつないでいかなくてはいけないと話し、「その精神をこれからも舞踊に込めて伝えていきたい。

 朝鮮舞踊のよさを一人でも多くの人に知ってもらえるよう、さらに磨きをかけたい」と笑顔で語った。(文・尹梨奈、写真・盧琴順)

[朝鮮新報 2010.12.15]