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「金剛山歌劇団創立55周年特別公演」終幕 京都公演 約1300人観覧

斬新なコラボ 絶賛の声

 2010年度金剛山歌劇団全国ツアー「金剛山歌劇団創立55周年特別公演」が9月から仙台公演を皮切りに日本各地で行われ、11月30日に行われた京都公演で幕を下ろした。延べ24公演、2万2000余人の同胞や日本市民らが観覧した。

国境越える美しさ

混声重唱「民謡メドレー」

 30日、京都会館第2ホールで行われた京都公演には、総連京都府本部の金学福委員長(同公演実行委員会委員長)、金剛山歌劇団李龍秀団長、京都府議、市議をはじめ、同胞、学生、日本市民ら1300人が観覧した。

 朝鮮音楽を現代風にアレンジし、民族楽器と西洋楽器の斬新なコラボレーションで大盛況だった1部の「響」。そして、祖国から学び、在日同胞に伝えられてきた朝鮮舞踊の55年の歴史を守りながらも、今の時代に 合った作品が披露された2部の「朝鮮舞踊の緋緞道(シルクロード)」は京都公演だけでなく、各地で好評を博した。

 一つの演目が終わるたび、その華麗な舞台に観客は熱い拍手を送り、大盛況の中幕が下りた。

 昼の部を観覧した祇園のある舞妓さんは、今回で2回目の観覧だったと話し、「舞踊手の指先、足の先まで神経が行き届き、大変美しかった。自然な笑顔で演じているが、その裏にある努力は並大抵ではないはず。同じ踊り子として勉強になった」と述べた。

 京都大学大学院の小倉紀蔵准教授は、日本人の感覚にも合った朝鮮芸術の舞台に感動したと話し、「こんなにも美しいものは朝鮮民族にしか作れないのではないかと思うほど、素晴らしい公演だった。これからもどんどん公演をして、もっと多くの日本人に観て知ってもらいたい」と、笑顔で語った。

 京都朝鮮中高級学校高級部3年の趙英恵さんは、去年とは少し違った内容に感激した様子で、「特にドラムのセッションがかっこよく、印象に残った。また、出演者がみなウリハッキョ出身であることが誇らしかった。これからもさらに発展することを期待している」と話した。

 会社社長の浅野照美さんは、「民族的要素と現代風なものが見事に融合され、違和感がなかった。『美しさ』はみんな同じ、国境を越える。文化と芸術を通して朝・日の民間レベルの交流をさらに深めていきたい」と述べた。

多くの『引き出し』を

農楽舞「アリラン」

 今年は例年に比べ公演回数が少なかったものの、どの地域でも大好評を博し、公演が行われるたび拍手喝采に包まれた。

 「金剛山歌劇団のスタイルが完全に変わった」と話すのは、同歌劇団の蒋基生事務局長。

 1世から3、4、5世へと幅広い世代ににわたって支持される舞台を作り上げるまでには紆余曲折があった。例えば、ドレスを身にまといながら民族楽器を演奏し、ドラムを叩きながらチャンダン(朝鮮のリズム)を響かせる。 −こうした今の形を確立するまでの葛藤や苦労は並大抵ではなかった。

 「今回の舞台は評判もよかった。しかし、満足はしていない。来年はもっと斬新なものになるようがんばりたい」と、河栄守文芸部長をはじめ、若い世代の団員らは、すでにこれからの活動に意欲を燃やしている。その情熱を高く評価すると 蒋事務局長。

 「これからもっと多くの『引き出し』をたくさん作っていきたい。来年は、今までできなかった地域や、今年行けなかった地域での公演もすでに確定している。少しでも多くの舞台で公演を披露し、民族教育と地域の活性化のために劇団が一役担えるよう、日々努力していきたい」と話した。

 12月20日には練馬文化センターで、「響」公演と舞踊で感謝公演を行う予定。(尹梨奈)

[朝鮮新報 2010.12.7]