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文芸同東京支部舞踊部の第8回公演

「切実な気持ち〜オモニの想い」

フィナーレ「共に歩もう」

 在日本朝鮮文学芸術家同盟東京支部舞踊部の第8回公演朝鮮民族の夕べ「切実な気持ち〜オモニの想い」が11月25日、きゅりあん(東京・品川区総合区民会館)大ホールで行われ、出演者の家族や知人、日本市民、学生ら約350人が会場を埋めた。

 公演には、同舞踊部のほか、文芸同神奈川支部舞踊部、大田舞踊サークル、埼玉舞踊サークルのメンバーが参加した。

 出演者たちは学校、仕事、子育てなど、それぞれの事情を抱える中でスケジュールを調整し、本番に向けて練習に熱を上げ、総勢48人で14の演目を踊りきった。

 2部構成の同公演1部「故郷に想いを馳せながら」は、統一の願いを果せなかった1世たちへの祈りが込められた重舞「鎮魂(レクイエム)」で幕をあげた。独舞「受難」、群舞「星の降る夜」「願い」など、異国の地で苦難を味わいながらも民族の誇りを守る強い信念、いつか統一した祖国へ帰る日を思い描いた、ハルモニたちの想いが表現された演目が披露された。

 2部「異国の地で築いた故郷」の、群舞「チョゴリへの想い」「ひとすじの道」「われらの誇り限りない」などでは、いかなる困難に直面してもくじけず、異国の地で生まれ育つ子どもたちに民族の心を伝えたえようとする2世のオモニたちの想い、それを受け継ぎ守っていく3、4世の姿が描かれた。

 1部、2部にかけて、在日同胞の過去、現在、未来が表現されるのにあわせて、大スクリーンには、その時代を生きた人々の写真がBGMと一緒に写し出された。観客らは華やかな舞踊とともに、さまざまな写真から在日同胞の歴史の流れをよりいっそう身近に感じ取ることができた。

 2部で独舞「喜び」を踊りきった李明香さんは、初級部4年のころから舞踊部に所属し、高級部卒業と同時に同舞踊部へ入部。今日まで途切れることなく舞踊を続けてきた。「今まで大好きな舞踊を続けることができたのは、家族や団員たちの支えがあったからこそ。プロではないが、今までの練習成果を発揮し、多くの観客に舞踊の楽しさを伝えていきたい」。

 大田舞踊サークルのメンバーに誘われ会場に足を運んだ李貞姫さん(87、大田区在住)は「とくに1部の演目を見ながら、昔故郷を離れ日本へと渡ってきたあの時の悲しみが思い出された」と切なる思いを語った。(梨)

[朝鮮新報 2010.11.29]