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〈朝大 朝鮮歴史博物館-14-〉 当代の最高傑作、高麗青磁

統一国家、高麗の展示物

太祖王建の肖像画

 高麗(918年〜1392年)は朝鮮史上初の統一王朝である。開国当初は鉄原に都があったが、919年に開京(今の開城)に遷されている。現在の朝鮮を「コリア」と呼ぶのはこの高麗に由来しているとされる。今回は中展示室に設けられた高麗コーナーについて紹介してみよう。

 高麗の太祖である王建は、高句麗のような強大な国をつくろうと夢見ていたようだ。このことは「太祖が国初に平壌や北方をしばしば訪れたのは、東明王の領土をわが家の宝物として必ず領有するためであった」と「高麗史」が語ることからもわかる。

 さて当館には王建の肖像画が保管されている。これは王建の直系子孫に伝わった「族譜」に描かれた肖像をもとに復元されたものである。常設展示ではないが、機を見て展示してみたいと思っている。

王建王陵の壁画

 高麗展示品の中でまず目にとまるのは王建王陵の壁画である。開城市開豊郡解線里に築かれた王陵は、羨道をもつ単室墓を有する円墳である。幾多の盗掘もあってか墓室からは数点の遺物が発見されたに過ぎない。しかしここからは見事な色彩と構図で描かれた壁画が発見されている。

 墓室の東壁右側には青龍が確認できる。長い歳月のせいで剥落したのが残念ではあるが、二本の角と頭部の一部がはっきりと残っている。西壁左側に描かれた白い頭部と胴体は言わずと知れた白虎である。北壁には玄武があったと言われるが現在はその痕跡しか確認できない。また東西に描かれた四神の上部には色彩豊かに描かれた松、竹、梅も見てとれる。高句麗古墳壁画によく描かれた四神図は、高句麗を夢見た王建王の陵墓にふさわしい壁画と言えよう。

天下の名品、高麗青磁

高麗時代の展示物

 このコーナーでぜひ見てほしい展示品は高麗青磁である。朝鮮の磁器製作は高句麗時代にさかのぼると言われる。黄海南道峰泉郡円山里の窯址から出土した磁器が6世紀のものであったからだ。

 しかし磁器と言えばやはり高麗が有名である。高麗の磁器でとりわけ名をはせたのは翡色磁器、つまり青磁であろう。

 翡色とは、半透明の青色で翡翠より奥が深く優雅な色のことを言う。高麗の青磁は瓶、皿、碗、水注などさまざまな用途のものがあり、雲や鶴、菊花など文様も多種多様であった。

 1123年に使節として高麗を訪れた宋の徐兢は、高麗の青磁を「陶器の色の青いものを高麗人は翡色と呼ぶ。近年以来製作が巧みで色沢は最もよい」と絶賛している。

 当代の最高傑作とうたわれた高麗青磁も一見の価値があろうと思う。(河創国、朝鮮歴史博物館 副館長)

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 朝鮮大学校 東京都小平市小川町1−700、TEL 042・341・1331(代表)。

アクセス

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・JR中央線「立川」駅北口より立川バス「若葉町団地行き」、終点「若葉町団地」下車徒歩10分

[朝鮮新報 2010.11.26]