言葉は 花びらに触れた途端、ひとひらの 蝶になる
言葉は 音と 意味が 引き裂かれた旗のように はためいて たおれる
花の周りで 満ち潮のように押し寄せてくる言葉が 焔のように燃えあがり 消えても
ある言葉は 花びらをかすめた途端、一匹の 蜜蜂になる
(「韓国文学受賞作品全集」1950年)
ムン・ドクス(1928〜)
慶尚南道咸安生まれ。詩人。号は「心山」。弘益大学教授、韓国International PEN会長など歴任。代表作に「明暗」「壁」「沈黙」などがある。(選訳・金栞花)
[朝鮮新報 2010.11.22]