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在日朝鮮学生中央芸術コンクール 四国初中・広島初中高舞踊部 合同群舞で金賞

「みんなで踊れる喜び」

 第43回在日朝鮮学生中央芸術コンクールが11月4、5日、都内で行われた。年に一度行われる同コンクールに向け、各地で芸術系の部活に所属する生徒たちは頂点を目指しながら汗を流し、練習を積み重ねてきた。今年も完成度の高い演目が出品され、芸術性と技術を競い合った。5日には、金賞の中でも特に優れた19の作品が選ばれ、優秀作品発表会の舞台で披露された。

学校の壁を越え

群舞「ほうせんかの花遊び」

 2日目、東京朝鮮文化会館の観客席には、発表会を観覧する広島朝鮮初中高級学校と四国朝鮮初中級学校の中級部舞踊部の姿があった。

 四国では今年、指導教員が不在であったため、同校保護者の許末禮さんが9月から臨時で講師を務めることとなった。

 同校舞踊部は今年、部員が3人しかいないため個人演目しか出場できない状況だった。同校は06、07年に広島学区制中級部の広島、岡山、徳山の舞踊部と合同で同コンクールに出場した経験がある。許さんは、広島舞踊部の李美和先生と話し合い、「生徒たちに、群舞を踊る喜び、楽しさを教えてあげたい」と、広島舞踊部との合同出場を決意した。

 当日まで合同で練習できたのは5回。みっちり練習できたのは3回しかなかったという。広島の学校へ行くには、高速道路を利用しても3時間はかかる。それでも何回しかできない貴重な練習のために、四国舞踊部生活指導の李智香先生が往復6時間かけて、車での送迎を務めた。

 四国舞踊部の夫琴姫主将は、今回の群舞で主人公役を担った。短い時間の中で、みんなと少しでも息を合わせ感覚をつかむことを心がけたと話す。

受賞の喜びに笑顔がこぼれる

 「(広島の生徒たちと)一緒に練習する時間が少なかったので合同で出ることに多少不安はあった。でも何回か合わせていくうちに呼吸が合うようになった。みんなと踊れるということが何よりもうれしかった」

 広島舞踊部の金潤雅主将は、初級部1年から3年まで四国に通っていた。琴姫さんとは幼馴染で、合同練習のため帰りが遅くなったときは、潤雅さんの家に泊まることもあった。その時には潤雅さんのオモニが食事などの世話をしてくれた。

 潤雅さんは、そんな琴姫さんと踊る群舞が、一番安心して踊ることができたと話し、「一緒に練習するたびにどんどん楽しくなっていった。中3が自分一人しかいない中で、多くの作品で主人公を担うプレッシャーは大きかったが、この合同作品は唯一同級生と踊れる機会だったので本当にうれしかった」と話した。

 合同群舞「ほうせんかの花遊び」は今大会で金賞に輝いた。この作品は生徒たちの、学校の壁を越えたきずな、みんなと踊る楽しさがぞんぶんに表現されたと、李美和先生は話した。「時間の関係上、最後の詰めの段階まで行くことができなかった。不安もあったが、四国と広島の合同だからこそできたと思う」と話した。また、「今回、岡山も含め広島学区制中3舞踊部の7人みんなが、中級部最後のコンクールで金賞を受賞できたことが何よりもうれしい。この生徒たちが来年朝高で再会し、さらに大きな力を発揮してくれることを願っている」と笑顔で語った。(尹梨奈、写真は広島初中高舞踊部提供)

[朝鮮新報 2010.11.19]