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「2.16芸術賞」入賞記念 韓英政リサイタル

 伽耶琴奏者の韓英政さんの第19回「2.16芸術賞」個人コンクール入賞記念リサイタルが5日、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で開かれた(写真)。

 韓英政さんは、東京朝鮮高級部を卒業した年の2002年8月、文芸同主宰の平壌での夏期講習に約1カ月間参加。03年5月、金元均名称平壌音楽大学民族器楽部に入学(在日では初の入学生)し、伽耶琴の第一人者・韓東烈氏に師事。徹底したマンツーマン教育を受け、06年に卒業。朝鮮演奏家資格を取得した。その後も祖国と日本を往来しながら、今年2月、平壌で行われた「2.16芸術賞」個人コンクールで3位入賞に輝いた。

 この日のリサイタルでは、平壌のコンクールの第一次予選の課題曲「砦の春」や自由曲「アンタン散調」、本選の課題曲「海の歌」などを朝鮮の独特なリズム、チャンダンの粋な味わいを会場いっぱいに響かせて、満員の聴衆の拍手喝采を浴びた。

 また、この日、祖国から届いた映像も上映され、師の韓東烈氏から「今後もこの成果におごることなく、絶え間ない精進を重ね、祖国と同胞たちの期待に応えてくれることを願う」とのエールが送られた。

 演奏会には金剛山歌劇団民族管弦楽団、東京、東海、京都、福岡の各朝鮮歌舞団メンバー、埼玉朝鮮初中・中級部声楽部、朝青埼玉男声重唱サークルも出演し、多彩な演目でリサイタルを華やかに盛り上げた。

 金栄淑同実行委委員長は、「朝鮮の民族色豊かな伝統音楽に酔いしれながら、心地よいときを過ごすことができた。祖国の愛に育まれて、伽耶琴奏者としての第一歩を力強く歩み始めた韓さんの演奏会に多くの同胞たちが駆けつけてくれたことに深い感謝をささげたい」と語った。

 また、金正守文芸同委員長は、「韓さんが祖国で学び始めて今日までの8年間は、朝・日関係が極めて厳しい状況に置かれつづけた。渡航のための船も中断を余儀なくされ、経済的にも困難のなか、初心を貫徹し、コンクール入賞という快挙を成し遂げた。祖国と同胞社会への感謝の気持ちを、民族芸術をさらに開花させ、演奏家として成長をとげることで恩返ししてほしい」と励ました。(粉)

[朝鮮新報 2010.11.8]