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〈徐千夏先生の保健だより-10月-〉 「冬の食中毒に気をつけよう!」

 朝夕の気温もぐっと下がり、過ごしやすい季節になってきました。衣替えをした生徒たちの学生服を見ながらそろそろ冬が近づいてくるのを感じる今日このごろです。

 わが校では毎朝「健康観察」を行っています。「健康観察帳」に朝の時点で体調が悪かった場合、自己申告して記入するというものです。「頭痛・腹痛・風邪ぎみ・鼻水・咽頭痛…」などです。

 健康観察帳をチェックした後、何学年の誰の体調が思わしくないのかをあらかじめ確認し、校内を巡回します。私の仕事で最も楽しい時間です。

 教室をのぞきながら子どもたちの顔色やクラスの雰囲気を味わえる…大勢の子どもたちと一気に近づける時間です。真剣にノートをとる子、眠そうな子、隣の友達とふざけている子…でも、基本的にウリハッキョの子どもたちは真面目です。授業を真剣に聴いている姿を見るとこちらも力がわいてきます。

 私の姿を目撃した子どもたちは「おっ! 今日、保健室あいているのか!」と言わんばかりに休み時間にどっと押し寄せてきます。そこで、「○○くんは今日、風邪ぎみらしいけど大丈夫?」「鼻づまりはどう?」と問診できるわけです。朝の健康観察は本当に大切で役に立っています。

 最近は、季節の変わり目でしょうか、熱はないけども風邪ぎみ、鼻水、鼻づまり、咽頭痛、頭がボーッとするという症状の子どもたちが目立ってきています。

 幼稚班では熱も出たりして欠席している幼児たちもちらほら見かけます。そろそろ石けんで手洗いの後は消毒をするなり、冬の風邪やインフルエンザ対策に備えた方がよさそうです。

 冬の食中毒「感染性胃腸炎」にはとくに気をつけたいですね。

 感染性を起こすウイルスは「ノロウイルス」「ロタウイルス」「サポウイルス」の3種類。このうち発症率の高いのがノロウイルスです。感染すると8時間〜数日のうちに胃がしばられるような激しい痛みが突然起こり、嘔吐、下痢を繰り返します。

 これは、体がウイルスを排除しようという拒絶反応。そのため下痢止めなどは飲まない方がよいでしょう。ただ、水分不足によるけいれんの恐れがあるため、水分補給はしっかりとした方がよいです。

 とくに乳幼児や高齢者は気をつけましょう。帰宅後の手洗いで十分に防ぐことはできます。

 対策としては手洗いをしっかりし、貝類を調理した後は調理器具を熱湯で消毒、突然嘔吐した場合は本人を個室にうつし、床は塩素系洗剤で拭きましょう。

感染性胃腸炎 ウイルスから身を守る

@ 外出後の手洗いを徹底する(電車のつり革など感染源に)

A 調理に携わる人は作業ごとに手洗い(二枚貝を調理したまな板や包丁は熱湯で消毒)

B 乳幼児や高齢者は生のカキや二枚貝を避ける

感染したら…

@ 嘔吐、下痢が続くときは水分補給を欠かさずに(下痢止めは医師の指示で)

A 嘔吐物の処理は、マスク、手袋、めがねをしてぞうきんなどはすぐビニール袋に入れて密封する

B 床は家庭用漂白剤を薄めて幅広くふく(「ハイター」などを200倍程度に希釈)

C 汚れた衣類はバケツに衣類用漂白剤を入れ消毒(直接洗濯機に入れると他の衣類も汚染される)

(筆者が産休のため、来年3月まで本欄を休載します)

[朝鮮新報 2010.10.27]