第39回在日朝鮮学生美術展 1万2767点応募、737点入選 |
自由な発想、豊かな表現
朝鮮学校に通う初・中・高級部生および朝鮮幼稚園園児たちによる絵画や立体作品などを集めた「第39回在日朝鮮学生美術展」(主催=同実行委員会)が、9月22日の神戸展を皮切りに全国巡回展をスタートした。 美術展には今年、全国から1万2767点の作品が寄せられ、絵画、工作、動画作品のうち737点が入賞・佳作・入選作品に選ばれた。 23〜28日に開催された東京展(埼玉会館第3展示室)には、都内および関東地方の児童・生徒の作品を中心に、全国の学美賞(学生美術展賞)、金賞、優秀賞など1105作品が展示された。 作品はどれも子どもたちの生き生きとした生活の断面や内面世界を豊かに表現していて、観るものに深い感動を与えていた。
東京・練馬区在住の金栄愛さんの娘(中1、東京朝鮮中高級学校)は3年連続入選している。「ここ数年、欠かさず会場に足を運んでいるが、子どもたちの作品のレベルが高いと感じている。中級部にもなると、油絵やイラストなど技法も多岐にわたり、表現の幅も広がっている。いろんなタッチの絵が展示されていて圧倒されるようだ。特別金賞の作品は特に素晴らしかった」と感想を述べた。
また、東京・文京区から訪れた金淑さんは「色即是空」と題された絵画(高2、神戸朝鮮高級学校、明壌愛)の前に立ち、「高2でこういうことを考えられるということに驚いている。子どもが自分の内面をここまで掘り下げられるということ、またそれを描き出しているということは、先生方の指導があってのことだろう。今まで運動サークルに比べて美術は比較的地味で静かなイメージを持っていたが、会場に来て結構熱いものを感じている」と語った。 東京朝鮮第1初中級学校に通う娘(中2)の作品を観に足を運んだというある父親は、「昔と違って、ウリハッキョの子どもたちの発想の豊かさに驚いている。これはすごい。自由に発想して、自分の感情や思いを見事に表現している。先生方の技術面での細やかな指導の成果が作品に表れている。ウリハッキョの美術教育の水準の高さを示している」と話した。 学生美術展は、来月9〜13日に広島朝鮮初中高級学校体育館で開催される。 東京展では、会場の一角に企画展「出会いの花、友情の花を咲かせよう!」のコーナーが設けられ、東京・平壌・ソウルの子どもたちの共同制作「行こうよ、おまつりひろば!」と、東京(5月)、平壌(8月)、ソウル(9月)で行われたワークショップの様子、それぞれの子どもたちの自画像とメッセージが描かれた紙皿が壁いっぱいに飾られた。 また、ソウルの子どもたちから送られた「朝鮮学校高校無償化」実現に向けたウリハッキョの子どもたちへのメッセージが展示され、観客の関心を集めていた。(文・金潤順、写真・盧琴順) [朝鮮新報 2010.10.27] |