〈本の紹介〉 1910−2010 日韓併合 |
新たな100年築くために 1910年8月29日、「韓国併合条約」が公布され日本の朝鮮植民地支配が本格的に始まった。日本が敗戦を迎えるまでの36年間、朝鮮民族は民族最大の悲劇を迎える。 本書では「韓国併合」から100年、日本帝国主義が朝鮮民族に対して行った残虐な歴史の真実を暴く。 1919年に起こった3・1独立運動に続き、朝鮮各地で起こる反日運動や反日武装闘争では、すべての権利を奪われた朝鮮人、若者から老人まで男女問わず、国を取り戻すため己の命を惜しまず、日本政府、朝鮮総督府に立ち向かっていった。 関東大震災時の朝鮮人大虐殺、強制連行、創氏改名、皇国臣民化政策など、日本政府は非道きわまりないあらゆる策を使い朝鮮民族の根を断ち切ろうとした。その無惨に殺された多くの人々の晴らされぬ無念が本書には生々しく綴られている。 45年8月15日、朝鮮民族は解放の日を迎えたが、現在の日本社会には65年がたった今でも植民地主義が目に見えない暴力として残っている。 同じ過ちを繰り返さないためには、どうすべきか。日本と朝鮮半島の新しい100年を考察する手がかりを与えてくれる一冊となっている。(片野次雄著、彩流社、3500円+税、TEL03・3234・5931)(梨) [朝鮮新報 2010.8.27] |