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くらしの周辺−当事者の異論として

 「韓国併合」100年を期して組まれたNHK総合テレビ「シリーズ 日本と朝鮮半島」。第4回は、「解放と分断 在日コリアンの戦後」である。同番組の解説では、解放後在日朝鮮人の法的地位を検証するにあたり、「戦前、帝国臣民だった在日コリアンは外国人と見なされていく」との説明がなされている(番組HP・7月25日放送)。

 この解放後の法的地位に関する一般的認識として、戦後日本が出したいくつかの「政策」、外国人登録令(1947年)と「日本国籍喪失」(1952年)を取りあげて、この「政策」を朝鮮人の「外国人化」と捉えるステレオタイプはとても強い。また、民族教育弾圧が同時に行われることを説明するために、日本政府が「外国人とみなし」時には「日本人として処遇する」ダブルスタンダードを用いたというステレオタイプも強い。

 だが、この一見わかりやすいかにみえる在日朝鮮人認識は、何を見えなくさせるのか。

 第一に、日本政府は朝鮮人を外国人として処遇したのかという事実に関する問題である。朝鮮人を外国人として処遇するとは、日本が朝鮮独立を承認するということだが、日本政府は「朝鮮人は講和条約まで日本人」と一方的に解釈し、サンフランシスコ講和後も朝鮮独立を承認したわけではなかった。

 第二に、「外国人とみなす」とは、「日本国籍を有する」という解釈の言い換えであるのだから、実はダブルスタンダードではないのである。日本政府が朝鮮人を、日本人よりも従属させ、外国人よりも従属させる植民地的な地位に継続して置くことを意味するのだから、植民地的基準として皮肉にも一貫しているのである。(鄭祐宗・大学院生)

[朝鮮新報 2010.7.30]