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アート・カフェ・フレンズ 崔栄徳&A'sライブ

異色のコラボ、「ブラボー!」の歓声

民族楽器とバイオリンのコラボ演奏

 朝鮮の民族楽器・チャンセナプとバイオリンのコラボレーションライブが10日、東京・恵比寿のアート・カフェ・フレンズで行われた。

バイオリニストの崔誠一さんがリーダーを務める若手在日ミュージシャン「A's(エース)」とスペシャルゲストとして、金剛山歌劇団のチャンセナプ奏者・崔栄徳さんが出演した。

 この日、演奏された曲は全9曲とアンコール2曲。普段のライブでは「A's」のオリジナル曲が基本となるが、「風」「月下美人」「情熱の砂」など、「A's」のオリジナル曲に加え、朝鮮民謡「ブランコに乗る乙女」や外国曲「ボヘミアンダンス」など多様なジャンルの曲にアレンジをきかせ披露した。

 構成もさまざまで、バイオリンとピアノのバラードやバンドスタイルにチャンセナプ、チャンゴを加え異色のコラボを演出した。場内に響きわたるハーモニーは繊細で力強く、彼らが繰り広げる世界に観客たちはうっとり魅了されていた。

 おしゃれなライブカフェは出演者と観客の距離が近く、MCでは笑いも溢れアットホームな雰囲気に包まれる、温かい公演となった。演奏が終わるたび客席から「ブラボー!」という歓声が聞こえ、拍手喝采のなか、公演は終了した。

 前の客席で見ていた女性は、「チャンセナプ独奏の『アメイジングアリラン(アメイジンググレイスとアリラン)』と情熱的なアコースティックギターの演奏が印象的な『情熱の砂』がとても良かった。舞台と客席が近いのでとても親近感を感じられたし、演奏も素晴らしかった。これからもこんな機会がさらに増えていけばいいと思う」と語った。

A'sオリジナル曲「陽炎」をチャンゴをまじえて披露

 「A's」のメンバーで、パーカッション奏者の李令貴さんは、「とても楽しかった。客席と近くて緊張したがお客さんの反応が良かったのでとてもやりやすかった。これからも『A's』のドラマーとしてさらに成長し、いろんなジャンルのアーティストと共演してみたい」と意気込みを語った。

 「A's」のサポーターとしてエレキベースを演奏した白戸佑輔さんは、今回はじめて民族楽器とのコラボ体験をしたという。「ギターと違ってリズムの取り方や演奏の流れが独特で、風が流れるようなイメージ。はじめはうまくいくか少し心配だったが、とても良かった。メンバーも気さくで楽しく、これからもセッションしていきたい」

 崔栄徳さんは「演奏が終わったあとは本当に気持ちいい。普段は舞台の上で演奏する機会が多いが、今日みたいなライブもまた楽しく新鮮だった。年齢、国籍、ジャンルを問わず同じ音楽の仲間としていい刺激を与え合えたと思う。W杯に向けて在日の代表選手も大舞台で活躍しているが、自分たちもたくさんの人たちに感動を与えられるような、そういう存在になりたい」と思いを語った。

 崔誠一さんは「今日は本当に楽しかった。緊張もしたが崔栄徳さんとのコラボができたのも、忘れられない思い出になった。同胞の観客が多いこともあってか、笑いあり歓声ありの温かいライブでとてもやりやすかったし感謝している。曲作りや練習過程にはつらいときもあるがそれもすべて人生。やるからには有名になってアジア、世界の舞台で羽ばたけるよう努力していきたい」と熱く語った。

 今回のライブを全面的にサポートした、埼玉朝鮮初中級学校前教育会副会長の李範子さんは、「朝鮮民謡、日本の歌、外国曲など、多様なジャンルと新しいスタイルで同胞たちが音楽を楽しめたらいいと思う。そして若い音楽家たちがさらに活躍していけるよう、彼らと同胞社会のかけ橋になれれば…」とほほ笑んだ。(尹梨奈記者)

[朝鮮新報 2010.6.21]