安重根が国の仇を討ったと聞いて(3首)−金澤榮− |
1 平安道の壮士が一人 我 死なずに生き延びて 2 海蔘威の港を 3 古より滅びし国は 崩れ落ちる空 支えんと キム・テギョン(1850〜1927) 朝鮮王朝末期の詩人・学者。開城出身。20歳前後に平壌、金剛山、九月山などを遊覧しながら多くの詩を詠み、その才能を世に知らせた。42歳で科挙に級第した後ソウルに移り、主に歴史編纂作業に従事した。1905年、日本の侵略に悲憤し中国に亡命、反日運動に参加。多くの愛国的作品を残した。詩文集「江稿」、「韶堂集」などがある。 この詩は、義兵将安重根(※詩中「平安道の壮士」とあるが、黄海道出身)が、伊藤博文をハルビン駅で射殺した義挙に接して詠んだものである。(選訳・金栞花) [朝鮮新報 2010.5.31] |