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くらしの周辺−「同胞愛」

 ゴールデンウィークに、サッカー部員をつれて函館に遠征をしてきた。同じ道内にあるということで、札幌から近いのではないかと思われがちだが、実は300キロメートルも離れていて、高速道路も開通していないところがあるし、さらに観光地ということも重なって、バスで5時間ほどかかってしまった。

 しかし、長期移動で疲労困ぱいの選手たちを待っていたのは函館の在日同胞たちの熱烈な歓迎であった。

 その晩、対戦相手の日本学校の先生たちとのノミュニケーション(飲むとコミュニケーションをもじったもの)の場で、宿泊場所や食事はどうするのかといろいろ心配をしてくれたが、私はすかさず「全部同胞の方々がやってくれる」と胸を張って言った。日本学校では絶対にありえないこの状況を、ただただうらやましがられたことは言うまでもない。

 これはなにも北海道に限定された話ではない。

 冬の間、ウリハッキョ運動場は雪で閉ざされてしまうため、冬・春それぞれの長期の休みを利用して本州遠征を行うが、必ず各地で歓迎を受け、いろいろと世話になる。宿泊場所もハッキョや寄宿舎に泊めてくれ、そして夜は歓迎会など、選手だけでなく、私にとってもエネルギーチャージをするかけがえのない時間となる。

 こうしたたくさんの愛を全身で感じることができる体験というのは、絶対に必要だ。人を傷つけることでしか自分の存在を誇示できない人たちは、こういった経験が圧倒的に少ないのだろう。

 だからこそ、受けた愛を私もこれから分けていきたいと思っている。(藤代隆介 北海道朝高 サッカー部監督)

[朝鮮新報 2010.5.21]