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第28回高麗野遊会 晴天の下 200人が参加

「日々の積み重ね、日朝友好を」

肩を取り合って楽しく踊る参加者ら

 第28回高麗野遊会が9日、埼玉県日高市の高麗神社で行われた(主催=同実行委員会)。今年も晴天に恵まれ、在日同胞、日朝友好運動に取り組んでいる日本の市民、南朝鮮の留学生など、約200人が参加した。

 西武線高麗駅前の広場には、「天下大将軍」「地下女将軍」と書かれた、高さ4メートルにもなる真っ赤な将軍標(チャンスン)がそびえ立っていた。

 午前10時過ぎ、広場に集った参加者らは、高麗川に沿って聖天院まで徒歩70分の散策を楽しんだ。途中の巾着田は高句麗から渡来した人々が開拓した土地で、秋には漫珠沙華が咲き誇り一面を彩るという。

 マーガレット、つつじなど春の花が咲き乱れる遊歩道を歩く、木下史織さん(津田塾大学4年)と柳友希子さん(立教大学4年)は「朝・日大学生友好ネットワーク」の一員。今回が初参加だという。「以前から楽しみにしていた。日朝関係に興味があるが、古代史となるとわからないことが多い。今日はいろんなことを学んで帰りたい」と期待を語った。

高麗神社の歴史を語る第60代宮司高麗文康氏

 高麗王若光の墓がある聖天院を経て若光王が祀られている高麗神社へ。ここでは第60代宮司の高麗文康氏があいさつした。同氏は、6年後に建郡1300年を迎える高麗神社の誇らしい歴史についてユーモアをまじえながら語った。

 午後には、毎年行われている川原ではなく、境内の駐車場にテントをはり、野遊会が開かれた。お楽しみの焼肉に舌鼓を打ちながらみなが会話を楽しんだ。

 朝鮮大学校政治経済学部の李俊植さんは会場に設けられた舞台に立ち、「こういった日々の積み重ねが未来の朝・日関係を改善するうえで役に立つと思う。これからもさらに親ぼくを深め、国交正常化につながるようお互い頑張っていこう」と訴えた。

 「ヌチどう宝ネットワーク」の太田武二さんは東アジアの平和、沖縄からの軍事基地撤廃の願いを三味線と歌に込めて披露した。

 つづいて、「三多摩日朝女性の集い」のメンバーらによる合唱や、はなこりあの「よさこいアリラン群舞」、朝大プンムルノリサークル・セマチによる演奏などが次々と披露されると、会場は友好ムード一色にわいた。最後は参加者全員で肩を組みながら「リムジン江」を日本語と朝鮮語の歌詞で歌い、記念写真を撮った。

高麗駅にそびえ立つ将軍標(チャンスン)

 今回で4回目の参加になる「はなこりあ」の代表・大森智永子さんは、「最近は大学生たちがたくさん参加するので、にぎやかで楽しい。同じ国に住んでいるのに、在日の人と日本人との交流の場がとても少ないのが残念だ。これからはもっとこういう機会が増えればいい。本当に良い機会だと思う」と語った。

 10年前、南朝鮮から日本に来て今は留学エージェンシーとして働いている趙P授氏は「今日は家族も連れてきたが、雰囲気がとても良く、明るくて楽しい。その裏では『高校無償化』問題など、日本の差別政策があるが、許してはならないと思う。これからもこういう集いがあれば参加したいと思う」と話した。

 白濱千夏子さん(立教大学4年)は今回が初めての参加。「日朝関係を改善するためには、まずはお互いを知ることが大事。東アジアの明るい未来のためにも、これからは日本人がもっとこういう会に参加すべきだ。今日こうして在日の人たちとの出会いがスタートしたので、まず自分たちからこの輪を広げていきたい」と笑顔で語った。(尹梨奈記者)

[朝鮮新報 2010.5.17]