top_rogo.gif (16396 bytes)

〈本の紹介〉 いのちをいただく

 本書は、「命と食」をテーマに講演を行う熊本県の食肉加工センターに勤務する坂本義喜さんの体験談をもとにした絵本。

 坂本さんは、「牛を殺す」という具体的な事例を交えながら、「動物の命を私たちはいただき、生かされている」ことの意味を問い続けている。その講演録を、福岡県行橋市の助産師、内田美智子さんが物語り風にまとめ、佐賀県三瀬村の画家、諸江和美さんが絵をつけた。

 物語は、小学校の授業参観をきっかけに、坂本さんと息子のしのぶ君が、食肉加工センターの仕事について語り合う場面から、牛の「みいちゃん」を同センターに運び込んだ女の子の家族と、坂本さんとの出会いへと展開する。

 巻末には、九州大学の佐藤剛史助教が、農漁業や保育に携わる人たちを取材し、執筆した現場ルポ「いただきますということ」を収録した。(内田美智子、諸江和美著、西日本新聞社、1260円、TEL 092・711・5523)

[朝鮮新報 2010.5.10]