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山田昭次・立教大名誉教授 80歳記念講演会

「悔いのない人生だった」

講演を行う山田氏

 山田昭次・立教大学名誉教授の80歳を記念する講演会が22日、埼玉県所沢市内の中華料理屋で開かれた(主催=NPO法人同胞法律生活相談センターシニア部会)。

 まず、在日朝鮮人人権協会の柳光守顧問があいさつを行った。柳顧問は、山田氏はこれまで日本の近代史を、虐げられ差別され続けた民衆の視線から解き明かし、学問と生き方で一貫した立場を貫いたと称えた。

 つづいて演壇に立った山田氏は、「在日韓国人政治犯」徐勝、俊植兄弟の20余年にわたる救援活動の日々を振り返り、多くの日本市民がこの活動に協力しこたとに触れた。

 同氏は、日本市民による救援活動の広がりによって、日本の朝鮮に対する歴史的責任を果たすことの大切さを確認できたという。また、救援活動中に南朝鮮で出会った人々についてふれながら、「厳しい状況の中でも独裁政権に心を譲り渡していない人々に深い感動を覚えた」と指摘した。

 また、関東大震災時における官憲による朝鮮人虐殺事件について、誤認情報の流布、隠ぺい工作とともに、それに対して法的責任をとらない日本政府の国家責任を厳しく批判した。

 さらに、「日本の民衆は朝鮮人虐殺に加担した原因を自ら解明、反省し、その事実を告発していかなくてはならない」と強調した。

 同氏は、「長い年月にわたり朝鮮問題の研究ができたのも、金鐘明先生や朴慶植先生はじめ、多くの朝鮮人との出会いがあったからである。そして今ではさまざまな分野の第一線で活躍している私の仕事の継承者がいる。この2つを考えただけでも悔いのない生涯を送れたといえる」という言葉で講演をしめくくり、会場から大きな拍手を浴びた。(梨)

[朝鮮新報 2010.4.28]