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鳥取・米子で第38回在日朝鮮学生美術展 300人が鑑賞、ミニ講演、解説も

感性豊かな作品群

作品について解説する朝鮮学校の美術教員

 「第38回在日朝鮮学生美術展」鳥取展(主催=同美術展実行委員会、鳥取展実行委員会、後援=鳥取県、米子市、米子市教育委員会、境港市、境港市教育委員会など)が3月21〜23日、鳥取県米子市の米子市美術館で開かれた。

 朝鮮学校がない鳥取県で同美術展が開かれるのは昨年に続き2度目。

 会場には朝鮮学校に通う初・中・高級部の児童・生徒たちと幼稚園(班)園児らの絵や立体作品など1万2千点あまりの応募作品の中から入選した651点が展示された。会期中、約300人が鑑賞した。

 開会式には、朴井愚・総連鳥取県本部委員長、張修次・鳥取展実行委員会委員長(在日本朝鮮鳥取県青年商工会会長)、朴一南・在日朝鮮学生美術展覧会中央審査委員会委員長、北尾慶治・米子市教育委員会教育長、同胞、日本市民や教育関係者など約30人が参加した。

 張実行委員長は、日本各地11会場で巡回展示されている同美術展が朝鮮学校のない地域で開催される意義はとても大きいと話し、「昨年、鳥取県倉吉市で初めて学生美術展を開き、多くの人々に民族教育を知ってもらう良い機会を得た。みなさんの熱い気持ちによって今年は米子市で開催できて本当にうれしい」と述べた。

 北尾教育長は、「作品の色彩が鮮やかで明るく、とても感銘を受けた。作品を通してのびのびと育つ朝鮮学校の子どもたちの一面を見ることができた。多くの市民が作品を見て、互いに交流を深めることを願っている」と話した。

 また朴井愚委員長は、昨年鳥取展に訪れたある観客が、「絵を観て心がわかる」との感想を残したことについて触れ、「実行委員20人中4人が朝鮮人で、あとはみな日本人。子どもたちの絵は、人と人とをつなぎ、そのつながりを強くする不思議な力を持っている。『無償化』除外の動きが子どもたちの心に影を落とすなか、作品からは苦難の前でも明るさを失わずたくましく育つ子どもたちの姿が伝わってくる。まさしくそれは在日同胞の歴史でもある」と話した。

 会場には幼稚班から高級部に至る子どもの成長に沿った数百点の作品が整然と展示され、それらを神奈川、大阪、神戸から駆けつけた朝鮮学校の美術教員らが解説した。

 また、ミニ講演「民族教育について」(尹慶龍・福岡朝鮮学園総務部、中央美術展審査委員)、「民族教育においての美術教育と美術展」(朴一南さん)が行われた。

 展覧会を観た鷲見和代さん(24)は、「自分の感情を言葉にするのも難しいのに、言いたいことを形にするのはすごいと感じた。 いろんな形、いろんな色彩があって、今日は本当に良い刺激を受けた。とくに気に入った作品は、『まっすぐ行け』(神戸朝高、3年)という作品だ」と感想を述べた。

 倉吉から家族総出で駆けつけた崔景玉さん(40)は、「日本学校の先生たちが、朝鮮学校の子どもたちの美術展開催のため力を注いでくれたことにとても感謝している。『無償化』問題で朝鮮学校に関心が集まる中、多くの日本人が作品を通して理解を深めてくれたら」と話した。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2010.4.7]