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〈本の紹介〉 つないで、手と心と思い

絵と物語で読む在日100年史

 「みなさんは朝鮮・韓国といえば、何を想像しますか?」という序文で始まるこの冊子は、冒頭でこう指摘する。

 「長い歴史の中で日本と朝鮮の人々はとても仲良くしてきたが、35年間にわたる日本の植民地支配により、朝鮮人は言葉と名前を奪われ、民族の尊厳を傷つけられた」

 冊子では、在日3世の金俊一くんが幼い頃、ハラボジから聞いた植民地下の朝鮮の話とハラボジの体験談を絵と共に紹介している。

 植民地時代、日本に行けばいい仕事に就けるという噂を聞き、多くの朝鮮人が日本に渡ってきた。

 そして1945年8月15日、日本は戦争に敗れ、朝鮮は解放を迎えた。その後、1972年の7.4南北共同声明、2000年の6.15北南共同宣言などにより統一気運は高まっていく。しかし、冊子は在日朝鮮人に対する差別はいまだ根強いと危惧する。

 朝鮮が日本の植民地になって今年で100年。差別されることなく朝鮮人として堂々と生きていける社会になることを願う、金俊一くんや多くの同胞の思いが綴られている。(原案=本多真紀子・絵=佐谷洋子、(株)アットワークス、定価=900円+税)(梨)

[朝鮮新報 2010.4.2]