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〈本の紹介〉 東京大空襲朝鮮人罹災の記録

 東京大空襲から65年。「東京大空襲・朝鮮人罹災を記録する会」では、05年、東京大空襲60周年に際して、過去に祖国統一新報と「統一評論」に掲載された25人の罹災者の証言を元に「東京大空襲と朝鮮人罹災−体験者が語るその実態」(簡易小冊子)を編み、07年にはその続編として新たに12人の証言を収録し「なぜ、そこに朝鮮人がいたのか」を刊行した。

 それらPARTT、PARTUを、今春、合本版として刊行。同時に刊行されるPARTV「『葬り去られる犠牲者』に光を」には、8人の体験記録とともに4人の日本人による活動・研究リポートを収録した。

 その中でライターの室田元美さんは、ある在日コリアン3世の若い男性に「なぜあなたが侵略戦争のことを調べているのか」と問われたことについて触れ、「この先、加害者にも被害者にもなりたくないから」との答えを見出している。彼女にとってこれらの記録を残すことは、「世のため人のためでもあるけれど、何より自分が幸せでいられるため」のものでもあるようだ。(潤)

 一粒出版、PARTT・U(合本)1480円、PARTV1680円、TEL 03・6279・3356。

[朝鮮新報 2010.3.26]