薔薇が綺麗なので 摘んでみると
どの花も茎は 棘だらけでした
愛に魅かれて 追いかけてみると その愛の中には 涙がありました
それでも人は 誰も皆 棘だらけの薔薇を 摘むことができずに その涙の愛を 得ることができずに 焦れ、焦れて 呼び求めるのですね
1924年11月
(現代朝鮮文学選集14「1920年代詩選(2)」92年・文芸出版社)
ロ・ジャヨン(1898〜1940)
詩人。平安南道生まれ。號は「春城」。「白潮」同人として登壇。センチメンタリズムに溢れた詩を残した。詩集に「私の魂が燃える時」(1928)、「乙女の花環」(1929)、「白孔雀」(1938)がある。
(選訳・金栞花)
[朝鮮新報 2010.2.15]