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〈徐千夏先生の保健だより-1月-〉 子どもたちが立ち寄る場所に

成長のパロメータ「身長測定」

 3学期になってはじめての保健室開放日に「子どもたちはやって来るかな」と少々不安でしたが、みんな元気にやってきてくれました。

何より先に身長測定をし、友だち同士くらべっこ大会が保健室の前で開かれていました。

 「○○トンムより何センチ足りない。うぅ、くやしい!」

 「○○トンムに1.5センチも勝ったよー!」など…保健室前の廊下はにぎやかです。

 たしかに年末に見た時よりも、みんなずいぶん大人びて見えるような…。

 「おっ! ○○くん、身長伸びたんじゃない?」と聞くと、「先生、たったの5ミリです」「たったの5ミリでも伸びたじゃない、おめでとう!」と言い返すと照れくさそうにしています。

 「○○くん、何だか最近、身長伸びてスリムになってカッコよくなったね」

 「先生! ○○くん、それやからモテモテやでー!」と他の友だちがプチ情報を教えてくれたりと、「声かけ」のひとつからいろんな事が見えてきます。

 ぜひ、全国のウリハッキョでも「身長計」を教員室前にでも置いてみてください。

 みんなが集まってきますよ。成長のバロメータですから、人気大爆発間違いなしです。

 ここでは私の出勤する曜日だけ、保健室前に置いておくようにしています。

みんなの顔がわかる「お誕生日表」

 最近、保健室内に「お誕生日表」を掲示しています。1月になると1月の誕生園児・児童生徒の顔写真に名前とクラス、誕生日を記入して掲示してありますが、これが大人気なのです。自分の写真をワザワザ確認しにきたり、「だれだれのお兄ちゃんがのってる」「だれだれの妹がいる」「あの子、○日が誕生日だったんだ。おめでとう!って伝えてあげよう」と話題が広がっていきます。

 保健室を立ち上げる時に思っていたことですが、一人ひとりに注目してあげられる場所にしようと努めてきました。

 教室ではどうしても人数が多すぎてその他大勢になってしまいがちですが、保健室にくれば「見てくれる」「聞いてくれる」「認めてくれる」「心配してくれる」と子どもたち自身が感じられるようにと常に気をつけています。

 その効果はバツグンでした。早くも「私は2月が誕生日だから掲示されるのは来月ですね。楽しみです」と、期待の声もあがっています。

 ポイントは全校園児・児童・生徒分を作ること、顔写真を張ることです。

牛乳パックで作る掲示物

 今やリサイクルの時代、牛乳パックが大活躍。小さいゴミ箱やちょっとしたサイコロ、くるくるパズルも作れます。それを持って喜びながらクルクル回している子どもたちです。そこに「朝ごはんを食べるとこんないいことがありますよ」というコマ劇場とキャラクターの絵を書き込むと、遊んで学べる保健指導につながります。

 10通りの絵ができあがるので、子どもたちは興味津々、目を丸くさせながら回していきます。小学生も中学生も不思議がります。

 「ソンセンニム(先生)、これどうやって作ったの?」

 「こんなん作るなんてソンセンニム、ヒマ人だね? やることないの?」と言われつつ、「ソンセンニムがヒマそうにしているから君たちがフラッと立ち寄れるんじゃないの?」と笑顔で返すと「ほうほう」と納得する子どもたちでした。

[朝鮮新報 2010.1.27]