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中世歌謡 夫婦打令

他人同士集まれど
夫婦ほどに
深き愛情ありましょうか
あの家この家 訪ねても
わが家が一番でございます
あの部屋この部屋 訪ねても
私たちの部屋が一番でございます
朝に顔を合せても
夕方にはもう会いたくて
まだ来られぬと知りつつも
もしかすると、と
待っているのです

雁のつがいを前に置き
髪を結い上げ簪さし
お辞儀をふたつ交わしたことが
何とも貴重な契りでありましょう

暑かろう、寒かろう、
蝶よ、花よと私を育て
父と母は私が嫁ぐ日
泣きに泣いておられましたが
旦那様が何より一番と
柱のように信じて 
暮らしております

朝鮮古典文学選集2「歌謡集(2)」
(1983年 文芸出版社)

 ※文芸出版社(朝鮮民主主義人民共和国)の「朝鮮古典文学選集」は、南の麦出版社より「キョレ古典文学選集」シリーズ(全100巻)として出版されている。(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2010.1.25]