対南非難の矛先は玄長官 ロでは関係改善、行動は対決 |
最近、朝鮮メディアはこう着した北南関係の改善を主張する一方、関係発展を阻もうとする南の反統一勢力を痛烈に批判している。その矛先は玄仁沢統一部長官に向けられている。
観光再開阻む
今年9月に入り、北の主導的で積極的な措置によって北南対話と接触が行われ、1年ぶりとなる離散家族再会事業が今月30日から行われる。関係改善に向かう流れを確固とした流れにするうえで、2年以上中断されている金剛山観光の再開問題は重要な位置を占める。 しかし南の統一部は、「北南関係の改善に背を向ける極めて不遜な態度」(労働新聞18日付)をとっている。 9月に始まった離散家族再会のための北南赤十字接触は、金剛山施設の利用問題などで対立が表面化し難航した。1日に行われた3回目の接触でやっと、離散家族再会を無条件で行う一方、観光再開問題に関する当局会談は北が提起したら南が検討するという線で妥結した。北は翌日の2日、当局会談を15日に開城で開催することを統一部に提案した。 ところが統一部は「至急に検討する事案ではない」としながら、12日になってやっと北に通知文を送った。それも、漠然と「後に立場を通報」するとして、事実上会談を後回しにした。 統一部の玄仁沢長官の発言からは、観光事業を再開させようとする意思はまったく見られない。 玄長官は3日、「3大条件」(金剛山観光客事件の真相究明、身辺安全保障、再発防止措置)が解決されたとしても『天安』号沈没事件の解決なしには駄目だ」としながら観光の再開に釘を刺した。 労働新聞18日付は、「金剛山観光に対する立場と態度は、北南関係の改善を願うのか、願わないのかを分かつ試金石」であるとしながら、「南朝鮮当局は対話と北南関係改善についてしきりに言っているが、実際の行動はそれと正反対である」と非難した。 またも核問題 ドイツを訪れた玄長官は3日、ドイツの「統一経験が手本になる」「これを土台に統一を準備できる」などとしながら、「体制統一」の企図をあらわにした。 一方が他方を吸収するドイツの統一方式を述べたことに対して、労働新聞13日付は「同族の思想と制度に対する露骨な拒否感の発露」「『自由民主主義体制下の統一』の野望を実現しようとする下心があらわになった」と非難した。 そして、現在行なわれている北南対話が民族の和解と団結のためであるのに、対話相手の思想と制度を無視して「体制統一」を企図する玄長官の言動は許されるものではないと指摘した。 民主朝鮮15日付も、「平和的統一を望む」とした玄長官の言葉は真っ赤なウソだと指摘した。 一方、玄長官は6者会談再開に向けた各国の動きが表面化しているときに、またも北南関係改善と何ら関係のない核問題を持ち出した。 7日、記者懇談会で「核問題が解決されずに南北間の平和を語ることはできない」としながら、現状では関係改善に乗り出すことはできないとの見解を示した。 これに対して祖国平和統一委員会が運営するインターネットサイト「わが民族同士」は14日、「核問題の解決を北南関係改善の前提条件とするのは北南関係を改善するためではなくさらに対決に向かわせるためである」と指摘した。 退陣を要求 玄長官は北側が反統一対決政策と非難する李明博政権の対北政策「非核・開放・3000」の立案者とされている。学者であった玄長官が現職に就いた当時(2009年2月)から、北側はその対決姿勢を厳しく追及してきた。 民主朝鮮9月19日付は就任以来の玄長官の言動を次のように総括している。 「民族の和解と団結、自主統一を目指すわが方の誠意ある終始一貫した努力が結果を出せずにいるのも、南朝鮮で北南関係の問題を受け持つという統一部が同族を討とうと狂奔していることに主な原因がある」 最近は「玄仁沢退陣」に関する論調が目立っている。 労働新聞25日付論評は、「北南関係が本当に安定的に発展するためには、南の同族対決政策が撤回されねばならず、その考案者、執行者である玄仁沢のような対決分子が除去されなければならない」と強調した。(姜) [朝鮮新報 2010.10.27] |