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党代表者会が示した路線 「遺訓実現」を指針として

 9月28日に開催された朝鮮労働党代表者会は、オバマ政権の「戦略的忍耐」路線が何ら効果をもたらさないことを明確にした。党代表者会は「党総書記推戴」、「党規約改正」、「党最高指導機関選挙」を通じて、先軍路線の継続と強化を確認した。「待ちの戦略」を続けても、米国が期待するような「変化」は起こらないということだ。

「先軍」の継続

平壌で行われた総書記推戴慶祝大会後の舞踏会」(写真・文光善)

 党代表者会は90年代以降の「先軍政治史」を反映した。朝鮮では、金正日総書記が社会主義の基本政治方式として確立した先軍政治が、金日成主席逝去後の国家的試練を乗り越え、「強盛大国建設構想」を打ち出し実現する原動力となったとされている。

 すでに社会主義憲法の修正によって国防委員会委員長を最高位とする軍事重視の国家機構システムは確立されている。憲法は「朝鮮民主主義人民共和国は朝鮮労働党の指導の下で全活動を行う」と規定している。

 今回開催された党代表者会は、「先軍革命の政治的な参謀部」である党の指導的役割をさらに強化した。金正日総書記が党の最高位に再び推挙された。改正された党規約は「先軍の旗じるしの下で革命と建設を指導する」(序文)ことを明示し、党最高指導機関の構成、その地位と役割を新たに規定した。

 朝鮮は金日成主席の誕生100周年を迎える2012年に「強盛大国の大門を開く」と公言している。党代表者会が終了し、朝鮮の進路に世界が注目している。今回の党代表者会の結果にはいくつかの示唆がある。

 たとえば、改正された党規約の序文には、「朝鮮労働党は金日成同志の党」とある。「金日成同志の党」は、当然ながら主席の遺訓を指針としてあらゆる活動を行っていく。

「2012年構想」

 党代表者会議終了後、金正日総書記は錦繍山記念宮殿広場で金日成主席の肖像画を背景に新たに選出された党の中央指導機関のメンバーと記念写真をとった。その光景は朝鮮の針路をあらわしている。労働新聞に掲載された写真を見た人民も党の構想が具体的な現実となることを一様に期待しているという。

 2012年は目前に迫っている。現在の国際情勢、対話外交再開をめぐる各国の思惑と駆け引きをふまえると、朝鮮が目指す経済復興と朝鮮半島の平和保障、北南関係の改善は、相関関係にある。そして「強盛大国の建設」と「朝鮮半島の非核化」、「祖国の統一」はすべて主席の遺訓である。

 先軍路線の継続は必ずしも政策の硬直化を意味しない。転換期には、変革志向の大胆なアプローチも予想される。

[朝鮮新報 2010.10.6]