中国・長春で投資博覧会 朝鮮貿易省次官発言に注目 |
深まる朝中経済協力
金正日総書記の中国非公式訪問(8月26〜30日)を機に、今後の朝中経済協力関係に注目が集まっている。 両首脳の会談場所となった中国・吉林省長春市で2日から6日にかけて第6回北東アジア投資貿易博覧会が開催された。朝鮮は展示および販売ブースを設置した。 中国東北地域最大規模の博覧会で、朝鮮が設けた100uのブースには、たばこ、酒、薬草、干物、切手、化粧品セット、石けんなどが並んだ。 2日の開幕式後には、「北東アジア経済貿易合作高官討論会」が行われ、朝鮮貿易省の具本泰次官が参加した。具次官は基調演説の中で、朝中国境地帯に位置する羅先市(咸鏡北道)を経済特別地区に指定し、同特区を国際的な加工貿易と仲介貿易を担う国際貿易地区として発展させる計画について述べた。 朝鮮は今年1月4日に政令を発表し、羅先市を特別市に指定している。 演説の中で具次官は、国際貿易区発展のための「行政的、法律的条件を準備中」だとして、同市の羅津港を含め、特区への外資誘致を促すための制度整備に着手したことを示唆。そのうえで「羅先特区開発のための歩みを積極的に、迅速に進める」と強調した。 具次官はまた、中国の経済発展の成果を高く評価し「世界金融危機を克服、共同繁栄を成し遂げるためには、開発途上国間の経済協力が重要だ」と指摘し、中国との経済協力事業に意欲を見せた。 そのうえで「米国の無責任で投機的な金融管理が世界の金融危機を招いた」と指摘し、「米国とその追従勢力が行っている大規模合同軍事訓練と武力による威嚇によって、東北アジアが軍事的に対立し、国家間経済発展の障害になっている」と非難した。 また3日には、会場内で朝鮮貿易省のチョ・チュンナム課長が投資環境説明会を開催。朝鮮の経済状況と外国企業に対する優遇政策を説明した。 チョ課長は相続税と地方税の税率を下げるなど、外国企業に対し税制的に優遇し、外資誘致を拡大するため合営投資法を改正、また羅先市を経済特区として成長させるために特区法を整備したと紹介した。 そのうえで、親善国だけでなく、朝鮮の自主権を尊重する国々との貿易を拡大する意向を示し、マグネサイトをはじめとした朝鮮の豊富な地下資源について説明した。 共通の利益追求 中国商務部の易小准副部長は、1日に開かれた長春貿易博覧会式典行事の「大図們提案会議」で、中国東北地域一帯を基盤にした「超国境経済協力地区」建設を提案した。 この提案は、北東アジア5カ国(北南朝鮮、中国、ロシア、日本)が国境を超越し、道路と鉄道、航路を結ぶ交通網を構築し、経済協力を強化、共通の利益を追求しようというものだが、この構想が実現されるためには、羅津港を拠点にした朝鮮東海からの航路確保が必須条件となる。 2日、博覧会が行われた長春市で羅先市と中国・琿春の中聯海上運送公司が、羅津港を利用したコンテナ輸送船の運航に関する協約を締結した。協約式には、李龍煕・延辺朝鮮族自治州長とキム・スイル羅先市長、ペ・ホリョル羅津港長など、双方の地方政府代表が参加した。 羅津港を通じた海上運送を担う中国企業は2008年に羅津港使用権を確保した創立グループについで、2つ目だ。 労働新聞2日付は社説で、総書記の中国訪問が「東北アジア地域と世界の平和と安定を守り、社会主義偉業を前進させるうえで大きな貢献をした」と指摘。「社会主義中国には国の繁栄を保障する飛躍的な発展が遂げられている」と言及し、両国間の友好関係の意義を強調した。(鄭茂憲) [朝鮮新報 2010.9.15] |