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〈論調〉 「浮島丸」爆沈事件は世界に告発する

 1945年8月24日、この日は平凡な日ではなかった。今から65年前のこの日、日本は解放の喜びを抱いて帰郷の途に就いた多くの朝鮮人を乗せた日本海軍輸送船「浮島丸」を海に撃沈させる野獣じみた殺人蛮行を働いた。この爆沈事件により、死ぬとしても故郷の地に埋められたいとする数千人の朝鮮人が懐かしい祖国を踏むことさえできずに青黒い海に沈められた。

 数十年の歳月、日本の植民地奴隷としてあらゆる不幸と苦痛を強いられただけでも無念このうえないのに、祖国が解放された後にも日本によってこうした悲惨な運命を強要されたのだから、どれだけ痛憤することであろうか。

 明言するが、この爆沈事件は単なる沈没事故ではなく、日本によって仕組まれ、行われた計画的で意図的な朝鮮人集団虐殺蛮行であった。

 この爆沈事件は、日本の朝鮮民族抹殺政策がどんなに執ようで、野蛮であったのかを示す端的な実例である。

 振り返ると、日本は20世紀の初め、朝鮮を強盗さながらの方法で占領した初日から朝鮮民族を全滅させよと公然と言い散らしてわが人民に対する大量虐殺に血眼になった。日本の残虐非道な朝鮮人虐殺蛮行は、朝鮮だけでなく日本でも行われた。

 日本の朝鮮人集団殺人行為を数えたらきりがない。1919年の3.1人民蜂起と1920年の「庚申年大討伐」、1923年の関東大震災、1926年の6.10万歳運動時の大虐殺など、実に日本が働いた朝鮮人大虐殺蛮行はその野獣性と悪辣さ、規模と包括範囲において人間の想像を絶する前代未聞の殺りく犯罪であった。

 「浮島丸」爆沈事件が発生してから65年という歳月が流れた。しかし、いまだに日本はその責任を必死になって回避し、それに対する謝罪と賠償、真相究明に背を向けている。

 舞鶴の青黒い海で恨みを抱いて息絶えた多数の朝鮮人の霊魂は、こんにちもこのように叫んでいる。

 −殺人悪魔日本の罪過を絶対に忘れるな。同じ空の下で暮らせない百年来の敵である日本に百倍、千倍の復讐を−。(労働新聞24日付論説)

[朝鮮新報 2010.8.27]