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〈論調〉 民主党の参院選惨敗は民心の審判

 「民心は天心」であり、民心に背を向けた政権の命は短命に終わるものである。

 さる7月11日、日本の執権与党である民主党が参院選で大惨敗を喫したことがこれをはっきりと示している。

 歴代の日本政府は米国に対する事大ですっかり染まっているため、自分の定見はおろか、思考まで完全に依託してしまっている。

 米国の要求に「ノー」と答える勇気すらない日本政府は、さらには国益に関する問題ですら米国の目を気にして言うべきこともまともに言えないでいる。

 沖縄米軍基地問題だけを見てもそうである。

 沖縄県民の不幸と苦痛の禍根となっている普天間米軍基地を撤収させるのは、沖縄だけでなく、日本社会の一致した要求である。

 しかし、歴代の自民党政権は民心に背いて親米一辺倒政策を実施し、普天間米軍基地問題で米国の要求を聞き入れ、これによって歴史の厳しい審判を受け、権力の座を追われた。

 ところが、自民党の対米屈従を非難し、対米政策での「独自性」と普天間米軍基地の県外・国外移設を選挙公約に掲げて権力の座に就いた民主党政権はどうであったろうか。

 最初は「対米強硬」姿勢を見せて意気揚々としていた鳩山(由紀夫)政権もいざ米国が不快感を示して圧力を加えると、おじけづいて揚げ句には沖縄県民との約束は弊履を捨てるがごとしである。

 結局、民心に見捨てられた鳩山は権力の座に就いて1年にも満たずに自ら辞任を宣布しなければならない運命に陥った。

 しかし、鳩山の後を継いで首相の座に就いた菅直人は、かえって沖縄県民が米軍基地を閉鎖することを望むとしても米国とのこれまでの合意を順守するだの、日米同盟は尊重されるだのと米国にへつらう醜態を演じた。

 結局、菅直人政権の対米屈従姿勢は、参院選で民主党が惨敗を喫した基本原因となった。

 民心に背いて事大を行う者に与えられるのは、時代に見捨てられることと破滅だけである。(民主朝鮮3日付論評)

[朝鮮新報 2010.8.11]