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歌劇「紅楼夢」 中国各地で喝采、12都市で30公演

「朝中友諠の象徴」に

 「朝中友好の歴史に末永く輝く画期的な出来事」(労働新聞5月9日付)となった、金正日総書記の中国非公式訪問(5月3〜7日)と時を重ねるようにして、朝鮮の「ピバダ歌劇団」による歌劇「紅楼夢」の中国巡回公演が5月7日から7月18日までの約70日間にわたって行われた。約200人で構成された公演団は、12都市を回り各地で30余回の公演を披露した。

60年代作品をリメイク

歌劇「紅楼夢」の一場面(撮影=盧琴順記者)

 歌劇「紅楼夢」が中国で上演されるのは今回が初めて。朝鮮歌劇の中国での上演は、2008年の「花を売る乙女」以来となる。

 「紅楼夢」は、金日成主席の発起と指導によって1960年代に朝鮮で歌劇化された。原作は18世紀中ごろに書かれた中国の同名の長編小説で、中国では三国志演義、水滸伝、西遊記に並ぶ有名な作品だ。主人公・賈宝玉と、林黛玉、薛宝釵の2人のヒロインの間の悲劇的な恋模様と、その家門の栄枯盛衰が描かれている。

 当時、「紅楼夢」は平壌大劇場などで上演され人気を博したが、1970年代以降は「花を売る乙女」など5大革命歌劇が脚光を浴びるようになり、上演される機会はなかった。

 昨年、朝中外交関係樹立60周年となる「朝中友好の年」を迎え、金正日総書記の指示により、朝中親善の歴史と関連深いこの作品がリメイクされた。

 「朝中友好の年」の再演とあり両国の関心が寄せられ、中国側が出演者の衣装と小道具を無償提供し、また振付などは中国側と共同で行われた。

 2009年3月21日、「紅楼夢」の制作を現地指導した金総書記は、文化交流は朝中両国の親善を深める重要な位置を占めると指摘した。リメイク版「紅楼夢」は6章12場、上演時間は全2時間30分だ。

 昨年9月に平壌大劇場で初公演の幕を開けると、朝鮮国内で大ヒットを記録。その公演回数は70回以上を数え、1500人の収容を誇る平壌大劇場は毎回満員となり、およそ10万人が観覧した。

 金正日総書記は、昨年10月、「朝中友好の年」閉幕式に参加するために訪朝した中国の温家宝首相とともに、公演を鑑賞した。

最後まで満員御礼

作品は賈宝玉と林黛玉の儚い恋を描いている (撮影=盧琴順記者)

 「ピバダ歌劇団」の「紅楼夢」巡回公演は、中国文化部の招請により行われた。

 劇団関係者によると、公演は当初、北京、重慶など7都市で予定されていたが、金総書記が5月に訪問した天津、瀋陽、大連など5都市からも要請があり、在留期間を延長し、追加公演が行われるようになったという。

 新華社通信をはじめ中国メディアは、「紅楼夢」が観客たちの好評を博し、出演者たちにも注目が集まるなど、今回の巡回公演は成功を収めたと賛辞を贈った。

 ニューヨーク・タイムズは7月28日、今回の中国巡回公演を「朝鮮オペラ、中国で絶賛を浴びる(North Korean Opera Draws Acclaim in China)」と題して紹介した(別掲参照)。

 記事では、「『紅楼夢』は映画『アバター』以降、中国でもっとも人気を集めた」と評価し、「最後まで、中国各地での公演が満員御礼を記録」したと報じた。

 中国での巡回公演を終えた「ピバダ歌劇団」は、7月29日から平壌大劇場で凱旋公演を行っている。

 凱旋公演初日には、劉洪才在朝中国大使が招待された。

 新華社通信によると、その席で、最高人民会議の金永南委員長が「今回の(中国)公演は、朝中間の文化交流を超えて、両国の友好をあらためて確認する契機になった」と指摘し、「『紅楼夢』は朝中友諠の象徴」だと述べた。

 凱旋公演を観覧した平壌音楽学院のリ・ミョンシル講座長(38)は、「(「紅楼夢」を見るのは)これで3回目だが、見れば見るほど印象深い。外国の作品もすばらしく表現できる、朝鮮の芸術レベルの高さに自負心を感じる」と感想を話した。(鄭茂憲記者)

[朝鮮新報 2010.8.6]