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南で大統領室長など交替 民心愚弄の「回転扉人事」

 南朝鮮で6月2日に行われた地方自治体選挙で与党ハンナラ党が惨敗したことを受け、7月に入り、安商守新代表が選出されるなど与党内の人事が刷新されたのに続き、大統領府でも人事改編が行われた。

 任太煕雇用労働部長官が大統領室長に、白容鎬国税庁長が政策室長に、また政務首席秘書官にハンナラ党の鄭鎮碩議員が就任する一方、組織改編で新設された社会統合首席秘書官に朴仁周生涯教育振興院長が就任した。

 大統領府参謀陣のトップとも言える大統領室長に就任した任室長は54歳で、68歳の鄭正佶前室長よりも一回り以上も若く、ハンナラ党では「世代交代」をアピールしている。マスコミも「大統領選挙期間中では大統領候補秘書室長、当選後は次期大統領秘書室長を務めた、李大統領の最側近。腹心である同氏の大統領室長起用には、与党組織の安定を図る意図もあるとみられる」(聯合ニュース)と伝えた。

 しかし労働新聞7月24日付は論評で、今回の人事改編に対し「何人かの手下を入れ替えたが、それは目くらましにすぎない」と指摘した。

 論評は任室長がかつてハンナラ党政策委員会の議長として、6.15北南共同宣言を否定し対決路線を鮮明にした李明博政権の対北政策を推し進めてきた人物であると指摘し、今回の人事改編は朝鮮半島の緊張状態緩和に何ら変化をもたらさないと強調した。

 南朝鮮でも野党側から、今回の人事改編に対しポストを入れ替えただけにすぎない「回転扉人事」だとの非難の声が上がっている。

 また今年1月、祖国平和統一委員会(祖平統)スポークスマンが声明で「庚寅四賊」と名指しで批判した、金泰栄国防部長官、玄仁沢統一部長官、元世勲情報院院長、柳明桓外交通商部長官が留任されていることから、労働新聞の論評は、李明博政権が「執権後半期も、親米・事大的かつファッショ的で反統一的な政策を引き続き悪らつに強行しようとしていることを実証している」と指摘した。

 李明博政権の反統一的政策を体現する人物として非難の対象になっている玄長官に対しては、7月14日にも祖平統書記局がこれまでの対北対決姿勢を告発した「罪状録」を発表している。

 南朝鮮では最近でも、6.15共同宣言実践南側委員会共同代表をはじめとした「韓国進歩連帯」の中心人物たちが、「北の指令を受けた」などの嫌疑をかけられ、「保安法」により逮捕、拘束されたばかりだ。

 論評は、今回の人事刷新は「民心に対する耐えがたい愚弄」だと強調した。

[朝鮮新報 2010.7.30]