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〈論調〉 「シベリア特措法」と日本の過去清算

 最近、日本政府が「シベリア特措法」(「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」)を採択することを決定した。

 この特措法の成立に伴い、第2次世界大戦後、旧ソ連のシベリアなどで捕虜生活をした日本人に「特別給付金」が支給されるようになる。

 シベリア捕虜事件について言えば、1945年8月、旧ソ連の対日戦争参戦で中国の東北地域に滞在していた日本の関東軍の兵力を含む数十万の日本人がソ連軍の捕虜となってシベリアなどで「強制労働」を行うことで生じた問題である。

 今回のシベリア特別措置法採択問題について産経新聞をはじめ日本のマスコミは、この法が戦後65年たってようやく採択されたとし、遅きに失した感はあるが、異国の地で亡くなった人や帰国後、特措法を待てずに亡くなった元捕虜のためにも、国家が自らの義務をきちんと果たすべきであるなどと騒ぎ立てている。

 過去の日本軍「慰安婦」犯罪のような特大型反人倫犯罪に対する謝罪や賠償はかたくなに回避しながらも、日本人捕虜の生存者に対する「特別給付金」の支払い措置法を採択するという日本の態度は、彼らの鉄面皮さと道徳的な低劣さをあらためて世界にさらけ出している。

 日本に問うが、果たして捕虜の生存者に対する補償問題は重要で、過去に日帝が朝鮮人民に働いた犯罪に対する謝罪や賠償は緊要ではないというのか。

 わが人民は、日帝に国を奪われ、あまりにも痛ましい苦痛や不幸、災難を強いられた。

 ところが、日本の反動層は被害者のこの怒りの叫びに背を向け、自国民に対する過去の補償にきゅうきゅうとしているのだから、これは日帝に残酷な災難を強いられたわが人民に対する耐えがたい冒とくであり、正義に対する愚ろうであると言わざるをえない。

 日本は、朝鮮人民にあまりにおびただしい借りを負っており、過去に日帝が働いた極悪な犯罪行為について謝罪し、賠償することは日本の歴史的責任、法的・道徳的義務である。

 日本が、朝鮮人民に働いた特大型の反人倫犯罪に対する謝罪と賠償を回避し、罪を伏せておくほどその重大さはさらに増し、それに伴う処罰もやはり重くなる。

 日本は、第2次世界大戦当時に人類に惨禍を強いた国が過去の歴史と決別し、平和への新しい出発をしているこんにちの時代の大勢を直視し、一日も早く過去の清算に臨むべきである。(民主朝鮮6日付論評)

[朝鮮新報 2010.7.9]