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〈論調〉 侵略的な米国・南朝鮮同盟

 「天安」号沈没事件の調査結果を疑問視する国際世論が高まっている中、米国が南朝鮮との同盟強化と協力を騒ぎ立てている。

 米国・南朝鮮同盟は侵略的な軍事同盟である。米国は南朝鮮に対する軍事的占領を永久化し、南朝鮮を侵略戦争の突撃隊にするため米国・南朝鮮軍事同盟をつくり上げた。米国の対南朝鮮政策は昔も今も変わりがない。

 ところが、近年、米国と南朝鮮との間にはぎくしゃくした関係がつくり出され、それによってこの地域に対する米国の存在感がこれまでに比べ相対的に弱まっている。

 歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言の発表により、南朝鮮では自主、民主、統一の機運がかつてなく高まり、米国を排斥する動きが表面化している。

 とくに、戦時作戦統制権返還の時期が迫るにつれ、南朝鮮では対米離脱の傾向が強まっている。南朝鮮に親米政権が生まれはしたが、反米・自主の流れはさらに激しくなっている。

 朝鮮半島は、米国が潜在的な敵と見なしている中国やロシアとつながっており、戦略的に極めて重要な位置にある。

 南朝鮮を失うことは、米国にとって対朝鮮戦略はもちろん、対アジア戦略の実現の前哨基地を失うことになる。米国が南朝鮮に対する軍事的統制権を喪失することになれば、その存在価値は無意味となる。したがって、米国は南朝鮮との同盟をさらに強化し、それを通じて自らの軍事的な存在感と影響力を示そうとしている。このためにでっち上げたのがまさしく「天安」号事件である。

 今回の事件を機に南朝鮮の李明博政権は、米国の戦争下手人に完全に転落した。日本の普天間米軍基地移設問題も米国の意図通りに電撃妥結された。米国が事件をわれわれと無理やり結び付けて情勢を緊張激化へと追い込むほど、南朝鮮に対する軍事的干渉の名分が大きくなり、米国・南朝鮮同盟の強化に拍車が掛けられている。

 米国が南朝鮮との同盟強化を提唱するのは、単に威勢をつけるためではない。そこには、新たな朝鮮戦争挑発で全朝鮮をのみ込もうとする米国の黒い下心が投影されている。このため米国は、「天安」号事件の調査結果を疑問視する国際世論を無視し、その責任をあくまでもわれわれになすり付けるための国際的謀略攻勢をかけて南朝鮮との関係を自分らの思惑通りに導いている。米国・南朝鮮同盟の強化こそ、危険極まりない事態の発展である。

 朝鮮戦争勃発60年と時を同じくして大々的に行われる米国の反朝鮮策動は、やすやすと見過ごせる問題ではない。(労働新聞6月29日付論評)

[朝鮮新報 2010.7.7]