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〈論調〉 米の人権犯罪を裁くべき

 最近、フィリップ・アルストン国連特別報告者が米国の民間人殺りくを糾弾する報告書を国連人権理事会に提出した。

 彼は報告書で、米軍の無人機空爆による民間人殺りく行為を非難し、この「標的を定めた殺害作戦」を「説明責任を果たさない殺人許可証」であると断罪し、米国がこうした攻撃を直ちに中止するよう強く求めた。これに先立ち、国連人権理事会の関係者も米軍による民間人犠牲者の数が増えていることに懸念を表し、こうした蛮行が国際人道法に違反するとして国連人権理事会に上程するとの見解を表明した。

 米国が行っている「無人機戦争」は、明らかに国連憲章をはじめ戦争で一般人と戦闘員を区別し不必要な民間人の被害を防ぐことを規定した国際法と人道主義の原則に反する新たな侵略戦争、人間殺りく戦である。

 罪のない民間人を野蛮に虐殺しておいて、むしろ自分たちの犯罪を正当化する米国の鉄面皮な行為は極めて破廉恥で反人倫的であると言わざるをえない。

 米国は「9.11事件」を機に無人機で「テロ分子」を掃討するという、いわゆる「標的を定めた殺害作戦」を開始した。米国は、ばく大な資金をつぎ込んで開発した現代的な無人機をアフガニスタンやイラクをはじめ世界の各地域に投入しており、武装勢力を掃討する「無人機戦争」を拡大し続けている。

 米国が「無人機戦争」を行う目的は、多くの民間人を殺りくしてでも反米抗争勢力に対する軍事攻撃を強化して「対テロ戦」での失敗を挽回し、自分たちの戦略目的を実現しようとするところにある。一方では、米軍の人命損失を減らすことにより、国内で高まる政府に対する非難を鎮めようとするところにある。

 このため米国は、国際社会の抗議と糾弾にもかかわらず「無人機戦争」を積極的に奨励し、無人機空爆を強化する一方、現代的な無人機の開発と生産に拍車を掛けている。

 米国の無人機空爆によって現在、世界のホットスポットでは民間人死傷者が増え、都市と村が廃虚と化すなど被害は日々拡大している。(民主朝鮮15日付論評)

[朝鮮新報 2010.6.23]