辛善虎駐国連代表が会見 「天安」号事件は米・南のねつ造 |
辛善虎国連駐在朝鮮常任代表が南朝鮮海軍艦船「天安」号沈没事件と関連して15日、ニューヨークで記者会見を開いた。 会見で辛善虎代表は、事件と関連した朝鮮の立場を国連安全保障理事会理事国に通報したとし、要旨次のように発言した。 さる5月20日、南朝鮮当局は「天安」号沈没事件を朝鮮と結び付けた「調査結果」なるものを発表した。 朝鮮は即時に調査結果を全面否定し、朝鮮が事件と何の関連もないことを重ねて明らかにし、調査結果の客観的な確認のため国防委員会の検閲団を現地に派遣することを提案した。 ところが、南朝鮮当局はわれわれの正当な要求を拒否し、自分たちが一方的に組み立てた調査結果を国連安保理に提出した。 この調査結果は徹頭徹尾、米国と南朝鮮当局のでっち上げであって、発表された瞬間から内外の疑念と非難の的になっており、時間がたつほど彼らの政治目的実現のためのねつ造劇であることがさまざまな資料と客観的な現実を通じて余すところなくさらけ出されている。 米国と南朝鮮が今回の事件の調査に外国の専門家が参加したことについて、「多国籍調査団」だの「客観的で科学的な調査」を行っただのと騒いでいるが、調査団自体とその活動の内幕も問題だらけである。 英国は、調査団に参加した同国の専門家について通報するようにとの公式提案を受けておきながらいまだに口を閉ざしている。カナダは、調査結果発表4日前の5月16日に自国の専門家を派遣すると発表したが、彼らがいつ南朝鮮に到着したのか、実際に調査に参加したのかどうか知らされたものがない。 スウェーデンは、調査団に参加して技術的援助だけを行い、責任の範囲を明らかにするところには全く関与しなかったという。 南朝鮮当局は沈没事件を朝鮮と無理やり結び付けるのに有利な「物証」だけ選び出し、不利なものは「軍事機密」という美名の下にすべて隠ぺいした。その「物証」なるものですら疑惑があまりにも多く提起されて米国、南朝鮮はもちろん、全世界的な謎として広がっている。 逆に南朝鮮当局は朝鮮との関連を否定できる証拠をひとつまたひとつと闇に葬ったり、調査の対象から徹底的に排除したりした。 朝鮮が「天安」号沈没事件に責任があるというのは、政治目的の実現を狙った米と南のねつ造である。 米国はこの事件を機に、「北朝鮮の脅威説」で日本を圧迫し、沖縄米軍基地移設問題で日本を屈服させ、思い通りにならない鳩山政権まで途中放棄させたことで一挙両得であった。 米国は今回の事件を機会に米国、日本、南朝鮮の「三角軍事同盟」の形成を推し進め、当面、南朝鮮に対する大量の武器販売と朝鮮西海への米空母進出の口実をもたらし、2012年に計画されている南朝鮮での米軍の「戦時作戦統制権」返還を延期しようとする意図を露骨に現している。 「天安」号事件は、今年の中間選挙を控えて米政府の強い姿勢を示すためにもそうであり、朝鮮に対する投資環境を破壊してわれわれの経済を持続的に窒息させようとする自分たちの「戦略的忍耐」政策を合理化するためにも必要であった。 南朝鮮が狙う目的は当面、今回の事件の責任から免れることである。 南朝鮮当局は、地方自治体選挙戦が始まる日である5月20日に事件の調査結果を発表して、今回の事件をわれわれと結び付けて「国家安保」を選挙の最重要の懸案問題として浮き彫りにすれば、保守陣営が集結すると打算した。しかし、南朝鮮当局の「北風」起こしは逆風として拡大し、選挙で大惨敗を喫した。 南当局が北の魚雷攻撃説を広めるところにはまた、自分たちの反北強硬政策を正当化して北南関係を最悪の状態に追い込んだ責任から逃れ、良好に発展している朝鮮と中国との間にくさびを打ち込もうとする企図とも関連している。 現在、朝鮮には南朝鮮当局の調査結果と後続対応措置により、いつ戦争が起こるかわからない重大な情勢がつくり出されている。 2003年2月、米国のうそにだまされてイラク戦争を防げなかった恥ずべき前例を持つ国連安保理が、またも米国にだまされて今回の事件を不当に取り扱って朝鮮で衝突が起こるなら、その結果に対しては米国と国連安保理が全責任を負うことになるであろう。 [朝鮮新報 2010.6.23] |