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「併合条約は当初から無効」 日本、南の知識人214人が共同声明

東京で和田春樹氏らが記者会見 「日朝正常化交渉進めよ」

東京で記者会見する和田春樹・東大名誉教授た [写真=聯合ニュース]

 1910年の「韓国併合」から8月で100年を迎えるのを前に、日本と南朝鮮の歴史家、文化人ら214人が10日、東京とソウルで、「韓国併合」条約が当初から不当で無効なものだと日本政府が認めることを求める「共同声明」を発表した。

 日本では、日本と朝鮮半島の間に、「真の和解と友好に基づいた新しい100年を切り開くこと」が重要だとして、和田春樹・東大名誉教授、中塚明・奈良女子大学名誉教授らが発起人となり、作家の大江健三郎、ノンフィクション作家の澤地久江さんら105人が署名。また、南では、姜萬吉・高麗大学名誉教授、白楽晴・ソウル大学名誉教授、詩人の高銀、金芝河両氏らが発起人となり、弁護士の韓勝憲氏、李効再・梨花女子大学名誉教授ら109人が署名した。

 共同声明は「韓国併合は大韓帝国の皇帝から民衆までの激しい抗議を軍隊の力で押しつぶして、実現された、文字通りの帝国主義の行為であり、不義不正な行為である」と宣言した。

 また、条約の前文も本文も偽りで、条約締結の手続き、形式にも重大な欠点と欠陥が見出されると指摘。そのうえで、「かくして韓国併合に至る過程が不義不当であると同様に、韓国併合条約も不義不当である」と厳しく断罪した。

 日本と南朝鮮は1965年、「日韓基本条約」を結んだが、このとき、1905年の保護条約(乙巳条約)や1910年の「韓国併合条約」など、日本が朝鮮を植民地とするにあたって強要した「旧条約の無効」をどのように確認するかという問題が、両政府の間で最大の焦点となり、「もはや無効」というあいまいな表現で決着。時期を明記しないことで、日本政府は(旧条約)は本来有効であったが、サンフランシスコ平和条約(1951年9月8日調印)で日本が朝鮮の独立を承認した結果、今では無効になっているとの立場をとってきた。

 共同声明は、「併合の歴史について今日明らかにされた事実と歪みなき認識に立って振り返れば、もはや日本側の解釈を維持することはできない」と指摘した。さらに、「現在にいたるまで、日本でも緩慢ながら、植民地支配に関する認識は前進してきた。新しい認識は、1990年代に入って、河野官房長官談話(1993年)、村山総理談話(95年)、日韓共同宣言(98年)、日朝平壌宣言(2002年)などにあらわれている。とくに95年8月15日村山総理談話において、日本政府は『植民地支配』がもたらした『多大な損害と苦痛』に対して『痛切な反省の意』、『心からのおわびの気持ち』を表明した」などと述べたうえで、「いまや、日本でも新しい正義感の風を受けて、侵略と併合、植民地支配の歴史を根本的に反省するときが来ているのである」と指摘した。

 そして、共同声明は、「対立する問題は、過去を省察し、未来を見据えることで、先のばしすることなく解決をはからねばならない。朝鮮半島の北側にあるもうひとつの国、朝鮮民主主義人民共和国と日本との国交正常化も、この併合100年という年に進められなければならない」と強調した。

 朝鮮は、平壌宣言の履行で基本中の基本は過去の清算問題だと、再三強調している。一方日本は、宣言で「過去の植民地支配により朝鮮人民に多大な損害と苦痛を与えた歴史的事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心からの謝罪の意」(2項)を示した。が、過去の清算問題はいまだ手つかずの状態である。

 会見した和田氏によると、7月までに計1千人を目標に署名を集めるという。また、日本政府に対し、植民地支配に関連する歴史資料を隠すことなく公開し、強制労働の被害者らを支援していくように求めた。(朴日粉記者)

「韓国併合」100年 日本と南朝鮮知識人による共同声明(全文)

[朝鮮新報 2010.5.14]