エスカレートする南の挑発行為 深まる北南対立の構造 |
たび重なる警告を無視 エスカレートする南の対北対決姿勢によって、北南間の対立構図が深まっている。北は昨年8月以降、悪化した北南関係を改善させるための主導的な措置を講じながら誠意と努力を傾けてきた。しかし、南はこれに応じるどころか、対決姿勢をあらわにしている。とくに今年に入り、北の体制崩壊を狙った「心理・謀略行為」がエスカレート。北の大きな反発を招いている。
北側団長の通知文
南側は最近、北の思想と体制を中傷する不純な内容のビラとみだらなビデオ、「DVDビラ」を大量にまいているという。これには、東・西海地区北南管理区域を通行する南側人員も積極的に加担している。 これと関連し、北南将官級軍事会談の北側代表団団長は10日、南側軍当局に通知文を送った。 通知文は、このような策動は、相手側に対するすべての宣伝活動を中止することを確約した双方軍部合意の乱暴な違反だとしながら、「わが軍隊は、われわれだけが一方的に北南合意に拘束される必要がないとの結論に至り、一次的に南側人員の東・西海地区北南管理区域通行に関する軍事的保障合意をそのまま履行すべきであるのかという問題を正式に検討することにした」と明らかにした。 そして、「南側が心理・謀略行為を中止するための納得のいく対策を講じ、それについて公式に通告しないなら、わが軍隊は当該の決定的な措置を近く講じる」と警告した。 北側は昨年8月20日、南側に2008年12月1日からとってきた通行および滞在の制限を解除すると通知。9月1日から原状回復していた。今回の通知文が指摘したとおり、南側が心理・謀略行為を中止させる対策をとらなければ、再び北南間の通行などが制限されることになる。また、北側は「一次的」としており、通行に関する軍事保障だけでなくさらなる措置がとられそうだ。 心理的謀略に警告 これまで北側は、反北心理的謀略行為を中止することを南側に重ねて強く求めてきた。 軍事実務会談北側団長は昨年10月31日に続き、年始の1月13日にも南側に通知文を送り、反北ビラ散布が北南関係に否定的な結果を招きかねないと警告した。ビラの問題と関連しては3月2日の北南軍事実務会談などでも強く抗議した。しかし南側は何の対策もとらなかった。 そればかりか、南は北の「急変事態」に備えた「非常統治計画−復興」を完成させたり、「対北先制攻撃」もはばかりなく公言してきた。 たび重なる南の軍事的挑発と体制転覆を狙った謀略騒動に対して北側は、国防委員会スポークスマン声明(1月15日)、祖国平和統一委員会スポークスマン声明(1月23日)、朝鮮人民軍総参謀部スポークスマン声明(1月24日)、人民保安省と国家安全保衛部の連合声明(2月8日)などを通じて、このような行為が招く危険な結果について厳重に警告してきた。非武装地帯を北南対決に悪用することに関しても抗議(3月29日)してきた。 しかし南側は対決姿勢をあらためておらず、北南間の緊張はさらに高まっている。 「観光」関連措置も 北の積極的な呼びかけによって、今年、開城工業地区活性化と金剛山・開城地区観光再開のための会談と開城工業地区への3通(通行、通信、通関)を話し合う北南軍事実務会談が行われた。が、いずれも結実を得られないまま決裂状態となっている。 観光事業にいたっては、「南朝鮮当局の反統一対決政策が撤回されないかぎり、南側と百回向かい合うとしても観光再開問題が解決されない」(名勝地総合開発指導局詳報、3月19日)という結論を出し、「近く新しい事業者による国内および海外金剛山観光が開始される」(同指導局スポークスマン声明、4月8日)と宣言した。また、南当局が北南共同宣言の精神と民族の志向に反して対決の道を歩み続ける場合は、開城工業地区事業も全面的に見直されると警告している。(姜) [朝鮮新報 2010.4.16] |