日朝国交促進国民協会が講演と討論会 |
「日朝国交正常化は急務」
「併合100年 日本と北朝鮮」と題する講演と討論会が3月30日、日本教育会館で開かれた(主催=日朝国交促進国民協会)。 和田春樹・東京大学名誉教授の司会のもと、朱建栄・東洋学園大学教授による講演と美根慶樹・早稲田大学客員教授(前日朝交渉大使)、小此木政夫・慶応大学教授によるパネルディスカッションが行われた。 和田教授は、「現在、日本が行おうとしている経済制裁の延長や船舶往来の禁止など、在日朝鮮人へのハラスメントによって日朝関係は最悪に陥っている」と述べ、新政権になって状況はさらに悪化していると指摘。朝鮮女子サッカーチームの入国を禁止したり、朝鮮学校を「高校無償化」の対象から除外するなどといった鳩山政権による一連の対北強硬政策を厳しく批判した。 同氏は拉致問題の解決についても発言。400年前に豊臣秀吉が朝鮮を侵略し、日本へ連行した捕虜の解決にあたって徳川家康が行った朝鮮王朝との戦後処理過程に言及した。その結果、捕虜の送還および朝鮮との国交回復と平和外交の道が切り開かれ、朝鮮通信使の往来が実現したと強調した。そして、その歴史の知恵を今、われわれは現在の日朝関係の教訓として学ばなくてはならないと訴えた。 つづいて、朱建栄教授が朝中の現経済関係について講演した。 パネルディスカッションでは、現在の朝米関係について美根氏が発言した。同氏は、朝鮮は米国に対し、敵対関係の清算および平和共存を通じた核問題の解決なしには、核放棄と6者会談への復帰はありえないと一貫して主張していると指摘した。 最後に、村山富市元首相があいさつし、「まずは日朝がお互いに話し合い、そして相手の言い分を聞くと言うことが国交正常化につながり、日本のアジアにおける立場を確立できるのではないか」と述べた。(尹梨奈記者) [朝鮮新報 2010.4.2] |