〈今年の総書記−2010年−〉 各部門の成果、現地で確認 |
今年、金正日総書記の活動が公式に報道された回数は、20日現在で156回。そのうち最も多かったのは経済部門だった。その回数は69で、訪れた対象は108にのぼる。基幹産業から人民生活の現場まで及ばなかった部門がなかった。
現地指導の特徴
今年の総書記の現地指導に見られる特徴は、各部門で推し進めてきた事業計画の成果と結実を直接確認する過程となっていることだ。これは、国の経済全般を立て直すために講じられた対策が具体的な実を結び始めたということを示している。 例えば、2.8ビナロン連合企業所で16年ぶりに再開されたビナロン生産をあげられる。ビナロンとは繊維の一種で、国内の原料と材料で作られたことからチュチェ繊維と呼ばれている。 総書記は、ここ3年の間に同企業所を6回も訪れた。07年8月、08年5月、09年2月、今年2月(2回)と8月だ。 この企業所は約2年間にわたる現代化工事を終え、ついに今年2月、朝鮮に豊富な石灰石と無煙炭でビナロンを量産できるシステムを稼動させた。 朝鮮中央通信社が3月8日に発表した詳報は、工場建設の課題と方途を示した総書記の指導が奇跡を呼び起こした力の源だったと指摘した。 今年2月に2.8ビナロン連合企業所を現地指導した総書記は、チュチェ繊維が生産されていることに満足を示し、同企業所の成果は強盛大国建設で成し遂げたもう一つの偉大な勝利で、全国の大慶事だと述べた。
南興青年化学連合企業所で実現したチュチェ肥料生産も経済分野の大きな成果としてあげられる。
無煙炭を高温で処理して得られたガスから肥料を作る石炭ガス化工程が、今年4月から稼動し始め、全国の農場に化学肥料が送られている。 今年6月に同企業所を訪れた総書記は、チュチェ肥料が生産できるようになったのは、強盛大国建設の勝利の日が遠くないという希望と楽観を抱かせるもう一つの大慶事だと述べた。 総書記は、同企業所を09年5月に訪れ、石炭ガス化工程の建設を短期間内に終えるよう対策を立てただけでなく、ガス化工程の核心設備となる大型酸素分離機を製作する楽元機械連合企業所をここ2年間に5回(08年11月、09年2月と9月、今年1月と6月)も訪れ、現場の労働者、技術者を激励した。 国内最大の製鉄所である金策製鉄連合企業所でも、長年の努力が実り、ついに国内の原料と燃料で鉄を生産できるシステムを完成させた。総書記は07年8月、09年2月と12月、今年3月と12月など、幾度もここを訪れている。 今年12月にここを現地指導した総書記は、チュチェ鉄生産システムの完成はとても大きな成果だとしながら、これに携わった労働者、技術者などの関係者らの功労を高く評価した。 このように最近、重工業や化学工業の土台がしっかりと築かれた。 朝鮮人民はこれらの成果を生活で実感するようになっている。 今年12月に総書記が現地指導した平壌靴下工場では、生産能力を拡大し、四季おりおりの女性用、子ども用靴下を量産している。そのもととなる糸は、平壌紡織工場で生産されるものであり、これは国内の化学工場の副産物を用いて作られている。 化学工業部門の生産が正常軌道に乗ったことで、人民生活に必要な原料と資材が十分に保障できるようになった。 こうして、今年は生地、靴、下着などの生産が急速に増えたという。 平壌市で2012年まで10万世帯を目標に住宅建設が進んでいるのも、国内の工場がセメントや鋼材、ガラスなどを正常に供給しているからだ。
食料、サービス部門
経済部門の現地指導で最も多かったのが食料部門だった。 7月に訪れた将子山総合食料工場(慈江道)や12月に訪れた白雲山総合食料工場(咸鏡南道)などは、地方特産物で各種食料品を生産する「三日浦」式工場だ。昨年4月、総書記が平壌の三日浦特産物工場を現地指導して以来、各道ではこれをモデルケースにして、1年足らずの間に「三日浦」式工場を建設した。
各道の総合食料工場を現地指導した総書記は、麺や菓子、パンなどさまざまな食料品の生産状況を確認し、人民においしくて栄養価の高い食料品をさらに多く供給できるようになったと喜んだ。
総書記はまた、市民が利用するサービス施設も見て回った。玉流館専門食堂、香満楼大衆食堂、普通江百貨店などだ。さらに、解放山地区に建設された住宅や大同江のほとりに建てられた演劇関係者のアパートも訪れた。これらの現地指導は、9月末の朝鮮労働党代表者会の直後から年末まで集中的に行われた。 11月、平安北道昌城郡内にある食料工場、織物工場などを現地指導した総書記は、地方工業を飛躍的に発展させることについて強調した。山間地帯で生産したとは思えないほど、製品の質がとても高いとしながら、すべての市、郡が昌城郡の模範にならうことを熱く呼びかけた。 労働新聞はこの現地指導のニュースを、総書記が「地方工業革命に炎をともした」というタイトルで伝えた。「炎をともす」というタイトルで現地指導が伝えられるのはきわめて稀なことだ。 こうした報道は、千里馬製鋼連合企業所(08年12月)や金策製鉄連合企業所(09年12月)を訪れた際などになされた。その後、金属部門が急速に向上したのは周知の事実だ。 今回、昌城郡で「炎をともした」ということは、平壌以外の地方都市でも人民の生活必需品を大々的に生産しようというものだ。国内のメディアは、昌城郡に対する現地指導の直後から同郡の状況を紹介しながら、同郡のように地方工業を発展させるよう引き続き呼びかけている。(姜イルク) [朝鮮新報 2010.12.22] |