top_rogo.gif (16396 bytes)

西海竜淵沖に保護区設定 チョウザメ養殖に成功

食生活向上の土台に

玉流館「専門食堂」を訪れる平壌市民とそこで出されるチョウザメ蒸し(撮影=文光善記者)

 11月30日発朝鮮中央通信は、竜井養魚場(黄海南道)でチョウザメの大量養殖と海での養殖に完全に成功したと報じた。

 去年6月、平安北道の新昌養魚場を訪れた金正日総書記が、チョウザメの群れを見て、満足を表したと報道されたことがきっかけで、人工繁殖が難しいとされるチョウザメの養殖に成功したことが明らかになった。

 この人工繁殖の方法は、特別な設備を要せず、工程も簡単なので、どこでもすぐに取り入れられるという。昨年6月、朝鮮中央通信は、新昌養魚場で繁殖されているチョウザメは近い将来に全国の養魚場に導入されるだろうと予告していた。

 今回、チョウザメ大量養殖の展望を開いたとされる養魚場は、朝鮮西海に隣接する黄海南道・竜淵郡にある。

 淡水で人工繁殖させたチョウザメを海水に適応させ、低い塩度でしかできない養殖を塩分30%以上の海水で実現した。

 現在、竜淵の沖には百数十ヘクタールのチョウザメ特別保護区域が設定され、チョウザメ養殖が大々的に行われているという。

 一方、平壌冷麺で有名な玉流館では、昨年9月からチョウザメ料理を始めた。

 各種高級料理を提供する「玉流館専門食堂」が今年10月に新規オープンし、ここでチョウザメ料理が平壌市民にふるまわれている。

 この食堂は、全国各地のサービス機関に調理法を伝授する役割も担っており、将来的には各地でもチョウザメ料理が味わえることになるだろう。

ナマコ、マダイなども

 新たに建設された竜井養魚場は、良質の水が毎秒数百g沸き出る、国の天然記念物である竜井源沼周辺に築かれた。

 ここには、160余の養魚池とチョウザメのふ化および稚魚飼育場、浄水場、配合飼料加工場、タンパク飼料加工場、総合指揮室などがある。

 養魚池ではチョウザメだけでなく、ニジマス、ナマコなども人工的に生息させ、海の畜養場ではチョウザメとともにマダイ、スズキ、クロイソ、貝類などを生産している。

 西海の潮力を利用して海水を引き込む自然循環原理と朝鮮式の新しい海での養魚法が導入されたことにより、電気をまったく使わずに自然の水で養魚を安全に集約化して生産性を飛躍的に高められるようになったという。

 11月下旬にここを現地指導した金正日総書記は、人民の食生活向上のうえで飛躍を遂げられる貴重な土台を築き上げたと喜び、海に面したすべての所で自らの実情に合う浅海養魚と養殖を行うことを指示した。

 そして、養魚事業を大衆挙げての運動として活発に展開し、人民に一日も早くより多くの魚を食べさせようと呼びかけた。(姜)

[朝鮮新報 2010.12.10]