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朝米大佐級実務接触 朝鮮側「最後の要求」迫る

「天安」号真相究明求め

 第7回目となる朝米軍部大佐級実務接触が10月27日、板門店で行われた。朝鮮側は「最後の要求」として@「天安」号沈没事件の共同検証に応じるA問題解決の対案を出すB朝鮮側に言いがかりをつけないことを確約する−の3択を迫った。

 朝鮮側はもともと、北南高位級軍事会談を開催して「天安」号事件の真相を究明しようとの立場だった。しかし南当局は、事件が停戦協定に関する問題であるとしながら、北の提案を拒否していた。

 一方、米軍側は6月26日、朝鮮側に「天安」号事件に関する「調査結果」を説明するという通知文を送ってきた。その後も朝米軍部将官級会談を開くことを重ねて要請してきたという。

 これに対して朝鮮側は7月9日、「真相を客観的に、科学的に解明することに役立つのであれば、会談の形式と方法にこだわるものではない」とし、朝米軍部将官級会談の開催に向けた問題を協議するための大佐級実務接触を行うことを修正提案。これによって接触は今年7月15日から始まった。

 1回目の接触で双方は、今後開くことになる「会談」の議題を、「事件の真相を客観的に、科学的に明らかにすることについて」に定めることに合意した。

 ここで朝鮮側は、「会談で、ある事件を扱うには関連当事者の調査が先行されなければならないのは初歩的な慣例である」としながら、「『天安』号事件の真相を明らかにするには、朝鮮国防委員会検閲団の南朝鮮現地調査が必ず先行されるべきである」とあらためて主張した。

 しかし米軍側は「事件の調査結果の通報」の主張だけに固執した。

 これに対して朝鮮側は、7月23日の2回目の接触で、国防委員会検閲団の構成人数、調査期間など、現地調査のための具体案を提示した。4回目の接触では、双方の主張を包括した、朝鮮人民軍側と米軍側が参加する「朝米共同検閲団」を構成・運営することを提案するなど問題解決に向けて積極的に接触に臨んだ。

 米軍側は、自らの「調査結果」を一方的に通報するための朝米軍部将官級会談から開催することを主張。平行線をたどっていた。

「最終提案」も拒否

 6回目となる10月5日の接触で朝鮮側は、「包括的な方案」を新たに示し、これを「最終提案」とした。

 この方案には、米軍側が朝鮮検閲団の事件現場の検証と軍事基地の査察問題を受け入れることを渋っている条件下で、事件の解明に必要な魚雷のスクリューと設計図などの「物証」を板門店に持ち込んで双方が精密分析をした後、朝米軍部将官級会談を開き、事件の真相を論議しようという対案まで含まれているという。

 朝鮮中央通信によると、今回の接触で米軍側は、この「包括的な方案」の妥当性を認めながらも、自らの「合同調査結果」を既成事実化しようとする構えを見せた。

 朝鮮側は、事件の真相を解明しようという議題自体を放棄するのか、なぜ「科学的で客観的な合同調査結果」と騒ぎながらも関連物証の共同調査を恐れるのか、また、板門店で共同で検証しようという提案も受け入れられないのか―と問いただした。

 米軍側は、これらの質問は接触の性格に合わない、答える地位にない、などと弁明した。

 朝鮮側はこれまでの7回の接触を総括。米軍の態度は艦船沈没事件とわれわれが何ら関連がないということを立証していると強調した。

 そして、「最後の要求」として3択を迫った。米軍側が共同検証の対案を出さない場合、今後の「天安」号沈没事件で言い掛かりをつけないということを確約することを求めたのは、進展が望めない軍部接触をこれ以上続ける意向が朝鮮側にないことを示している。

 これまでの接触では、次回接触の日程を示していたが、今回は示されていない。

朝米軍部接触と朝鮮側の主張

第1回(7月15日) 検閲団の南現地調査を主張
第2回(7月23日) 現地調査の具体的案を提示
第3回(7月30日) 現地調査優先の根拠を説明
第4回(8月10日) 朝米共同検閲団の構成を提案
第5回(8月16日) 早期調査実施のための案を提議
第6回(9月5日) 板門店での物証共同検証を提案
第7回(10月27日) 「最後の要求」として3択提示

[朝鮮新報 2010.11.4]